紅葉をクローズアップで大きく撮る際は、色がきれいで形が整った1枚の葉を見つけることが何より重要です。それが見つかったら、その紅葉を主役に据えて、主役が引き立つような構図とアングルを考えてみましょう。
構図選択の基本は、主役となる紅葉以外の要素を画面から排除し、できるだけ背景がシンプルになるように気を付けること。たとえば影によって真っ暗になった背景や、青空のような単色の背景を選ぶと、紅葉の色と形がいっそう際立ちます。
絞り優先AE(F3.5 1/320秒) 露出補正:-0.7 感度:ISO400 WB:太陽光 焦点距離:24mm カメラ:STYLUS XZ-2(写真をクリックすると拡大します) |
絞り優先AE(F2.5 1/1250秒) 露出補正:-0.3 感度:ISO400 WB:太陽光 焦点距離:24mm カメラ:STYLUS XZ-2(写真をクリックすると拡大します) |
構図はシンプルにまとめることが基本ですが、その上で「主役(紅葉)を引き立たせるために、あえて脇役を写り込ませる」という考え方を取り入れると、紅葉写真に変化や広がりを与えることができます。脇役とは、たとえば水や雲、霧、鳥、昆虫といった紅葉のそばにある被写体です。自然のものに限らず、車や建物、看板といった人工物でも面白いでしょう。
絞り優先AE(F5.6 1/25秒) 露出補正:-1.3 感度:ISO400 WB:太陽光 焦点距離:89mm カメラ:EOS 60D(写真をクリックすると拡大します) |
絞り優先AE(F5.6 1/30秒) 露出補正:-0.3 感度:ISO200 WB:太陽光 焦点距離:70mm カメラ:EOS 6D(写真をクリックすると拡大します) |
マニュアル(F8 1/250秒) 露出補正:±0 感度:ISO100 WB:太陽光 焦点距離:200mm カメラ:EOS 6D(写真をクリックすると拡大します) |
紅葉は、木の葉が色付いた状態だけでなく、落ち葉として地面の上に重なった状態でも絵になる被写体です。紅葉を見つけたら、その足元を注意深く観察することをお勧めします。
下の写真は、緑の草の上に落ちた真っ赤な紅葉です。その色のコントラストが際立っています。また少し場所を変えて、土や砂、アスファルトなど別の地面に落ちたバリエーションカットを撮ることもできました。
絞り優先AE(F5.4 1/250秒) 露出補正:±0 感度:ISO640 WB:オート 焦点距離:125mm カメラ:OM-D E-M5(写真をクリックすると拡大します) |
絞り優先AE(F11 1/15秒) 露出補正:+1 感度:ISO100 WB:太陽光 焦点距離:40mm カメラ:EOS 6D(写真をクリックすると拡大します) |
以上をまとめると、私が考える紅葉撮影のポイントは以下の5つです。この5点を基本にしながら、あとは自由な発想で撮影を楽しんでみてください。
- ホワイトバランスを太陽光にセットする
- 太陽の位置を意識しながら撮る
- 形のきれいな紅葉を主役にする
- 脇役に紅葉以外の要素を写し込む
- 足元の落ち葉にも目を向ける
「一歩上ゆくデジカメ活用術」バックナンバー
第1回 イルミネーションを利用してボケのある夜景写真を撮る
第2回 冬の逆光を生かして印象的なスナップショットを撮る
第3回 水族館の生き物たちを幻想的なイメージで撮る
第4回 夜空に浮かび上がる満天の星を撮る
第5回 単焦点レンズで楽しむポートレート撮影・表情編
第6回 単焦点レンズで楽しむポートレート撮影・背景編
第6回 単焦点レンズで楽しむポートレート撮影・背景編
第7回 単焦点レンズで楽しむポートレート撮影・焦点距離編
本連載では、取り上げてほしいテーマを募集しております。ご連絡の際は、編集部のお問い合わせ窓口までお願い致します。