猫足から、機能を詰め込んだゴム足へ

さらに、本体裏面のゴム足にも工夫を凝らしている。これも耐衝撃性の進化に大きな意味を持つ。

ThinkPadには、伝統的に「猫足」と呼ばれる波形状のゴム足を採用していたが、CS13では、新たな形状のゴム足を採用している。

新採用のゴム足(左)と、"猫足"で親しまれた従来のゴム足(右)

「外観上は、よりすっきりとしたデザインにし、エアポケットと呼ぶ間空洞を中央部に配置している。衝撃がかかると空洞部がつぶれて衝撃を吸収。エアポケットがつぶされた際の空気は、きょう体のなかに逃げられるように穴を開けている」という。これにより、前製品と比べて5%の衝撃低減を実現したという。

「ゴム足はホットドックとも言われ、見た目を改良できないかと、何度もデザインチームから言われていた。性能を理由に猫足を採用し続けてきた。しかし、今回の仕組みでデザイン面でも優れたものが完成した」(塚本氏) という。

同じ形状に見えるゴム足は、前足よりも後足が固い材質となっている。「前足の上には、ちょうどハードディスクが載っている。そのため、エアポケットの領域を広くとって、より沈み込むようにし、衝撃を吸収できるようにした。

一方、後足は前足ほど耐衝撃が求められない。だが、タッチモデルの場合に、ディスプレイの角度を120度ぐらいで使用し、数100gという力で押すことを想定。同じ固さのままでは倒れやすいという結果が出た。そこで、手前の肉厚を薄目にし、支点をコントロールし、タッチによる重さがかかっても、エアポケット部があまりつぶれない仕組みとした。前足も後足も、見た目や材質は同じだが、固さや役割は大きく異なっている」という。同じ形のままとしたのはデザイン性にも配慮したものだ。

こうした細かいこだわりも、今回のThinkPadの進化の特徴のひとつといえる。

背面全体。ゴム足は前足と後ろ足で役割が異なるため、強度や仕組みが異なっている

そのほか、ドロップダウンヒンジの採用により、180度までディスプレイを開くことができ、角度を変えることでの様々な利用シーンでの活用を可能としたほか、ドッキングステーションに搭載した際にも、180度の角度でディスプレイを開くことができる状態を実現した。

なお、ドッキングステーションは、6セル円筒バッテリや3セル薄型バッテリ搭載時にも違和感なく利用できるような設計としている。

「ドッキングステーションはコネクタと本体を固定するガイドの位置をどこにするかが重要な鍵。これが今後数年間のフォームファクタの標準となり、ドッキングステーションを使用するモデルにとっては、コネクタ部のレイアウトが固定される仕様となる。XシリーズとTシリーズの開発者が何度も議論を重ねて、新たなドッキングステーションを開発した」(塚本氏) という。

ドロップダウンヒンジで180度までディスプレイを開ける

ドッキングステーション