登録したらやみつきの「Touch ID」

iPhone 5sの特徴には、センサーサイズが15%拡大され画素あたりの感度が向上したカメラ機能もあるが、時間的な都合から「指紋認証(Touch ID)」をテストすることにした。

指紋の登録は、初回の起動直後に現れるセットアップ画面「Touch IDを設定」で行うか、あとから「設定」→「一般」→「パスコードと指紋認証」の順にタップし、パスコードの設定画面から登録を開始する。iPhone 5以前の「パスコードロック」画面にTouch IDの管理機能が追加された、と書いたほうがわかりやすいだろうか。

指紋の登録を開始すると、画面中央にグレーの指紋が現れる。「何度かタッチしたり離したりしてください」という指示に従い、ホームボタン部分に指を置いたり離したりを繰り返すと、グレーの指紋はやがて朱色に染まりはじめ、朱色で埋めつくされれば登録作業は完了する。

この指紋登録のガイドがよくできていて、ブルッと振動してなんらかの情報がインプットされたことをユーザに伝えたり、「指でタッチしたままにして」などと指示内容を変えてきたりもする。誤ってホームボタンをクリックしようものなら、「おっと、クリックしてしまいましたね」などと優しく注意してくれる。このあたりの洗練度は、Appleの面目躍如といったところだろう。

無事指紋の登録が完了すれば、ロック画面を解除するときのパスコード代わりに利用できる。使い方はかんたん、ホームボタンを長押ししてiPhone 5sを起こし、そのままホームボタンに親指を置いておくだけ。他の指を置こうものなら「やり直す」と表示され、ロック画面は解除できない(パスコードも利用できるが)。

Touch IDはiTunes Store/App Storeの認証にも利用できる。iTunes Store/App Storeの契約内容が変更されたため、それに伴う文面の確認が必要だったが、それを済ませると購入確定時のダイアログに「指紋をスキャン」という文字が現れた。あっけなく決済は完了、アプリのダウンロードが始まった。これまでパスワードの入力が浪費を食い止める最後の砦だったが、Touch IDの前には無防備も同然だ。皆さん、買いすぎにはじゅうぶん注意しよう。

ロック画面を表示してホームボタンの上に親指を置き続けると、1秒程度で指紋認証が完了し、ホーム画面が現れる

画面中央に現れるグレーの指紋が朱色で埋めつくされるよう、指示に従い指を置いたり離したりする

指紋を正確に取り込むために、指をしばらく置くなどの細かい指示を受けるが、指示の出し方が具体的でわかりやすい

iTunes Store/App Storeの決済に利用する場合は、「パスコードと指紋認証」画面のスイッチを有効にする必要がある

アプリの購入も指を置くだけで完了してしまう。自制心をもって買い物に臨みたい