付属ユーティリティも強化

「より簡単に」というポイントについては、付属ユーティリティに「Installation Navigator」と呼ばれるインストールガイドが追加された。システムパーティション/ドライブの内容をSSDへと移動する、データ移行ツールの「Data Migration」もバージョン2.0になっている。サイズの大きな動画ファイルなどを自動検出し、セカンダリストレージに移動してから、データの移行を行えるようになった。移行元のHDD容量より、移行先のSSD容量が小さい場合などに便利だ。

付属ユーティリティに「Installation Navigator」と呼ばれるインストールガイドを追加

データ移行ツールの「Data Migration」もバージョン2.0になり、機能を強化

サイズの大きな動画ファイルなどを自動検出し、セカンダリストレージに移動する機能も

メモリをキャッシュに使って大幅な性能向上を実現する「RAPID Mode」

Samsung SSD専用ユーティリティ「Magician」には、SSDの状態監視やベンチマーク機能、オーバープロビジョニング領域の設定など、さまざまな機能が用意されている。今回のSamsung SSD 840 EVOに合わせ、最新の「Magician 4.2」がリリースされる予定だ。

RAPID Modeについて解説を行った、プロダクトマネージメント部バイスプレジデントのデビッド・リン氏

Magician 4.2では、「RAPID Mode」と呼ばれる新機能が追加された。RAPID Modeは、メインメモリをキャッシュとして使うことで、ストレージ性能の大幅な向上を実現する技術だ。RAPID Modeについては、プロダクトマネージメント部バイスプレジデントのデビッド・リン氏が解説してくれた。

RAPID Modeは、OSとSSDの仲介を果たす常駐型ソフトウェアであり、リードアクセラレーションとライトオプティマイゼーションという2つの技術で構成されている。リードアクセラレーションは、頻繁に使うデータやアプリケーションをメインメモリにキャッシュすることで、読み出しを高速化する技術。ライトオプティマイゼーションは、書き込みを最適化することでパフォーマンスを向上させる技術だ。

リン氏はRAPID Mode無効時と有効時のベンチマーク結果を公開したが、有効時はシーケンシャルリード速度が2倍近く向上したほか、シーケンシャルライト速度も大きく向上。PCMark Vantageのスコアも大きく伸びており、RAPID Modeの威力がよく分かる。

Magician 4.2では、新機能の「RAPID Mode」が追加された

RAPID Modeとは、OSとSSDの仲介を果たすソフトウェア。リードアクセラレーションとライトオプティマイゼーションにより、パフォーマンスを向上

RAPID Modeのテスト環境。全部で3台のSamsung SSD 840 EVOを搭載しており、そのうち1台のみRAPID Modeが有効にされている

Magician 4.2では、左のメニュー項目の一番下にRAPID Modeに関する設定が追加されている

Magicianに搭載されているベンチマーク機能を利用して、RAPID Modeの効果を比べてみたところ。上がRAPID Mode無効時、下がRAPID Mode有効時の結果だ。シーケンシャルリードは2倍近くも高速化され、シーケンシャルライトもかなり速くなっている

CrystalDiskMarkの結果。左がRAPID Mode無効時、RAPID Mode有効時。全体的に大きく高速化されていることが分かる

リードアクセラレーションは、頻繁に使うデータやアプリケーションをメインメモリにキャッシュすることで、読み出しを高速化する

ライトオプティマイゼーションは、書き込みを最適化することでパフォーマンスを向上させる

RAPID Modeを有効にすることで、PCMark Vantageのスコアは、1.8~1.9倍程度に向上

RAPID Modeは、システムレベルのパフォーマンスを加速する機能。Samsung SSD 840 EVOの出荷と同時に提供される

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