もっともシンプルな使い方
最初にもっともシンプルなパターンとして、2灯とも同じ出力で撮影してみたいと思う。2灯のフラッシュから被写体までの距離が多少違っても、全体としては適正な露出になるように発光するので、フラッシュの配置はおおよそでもかまわない。まずはカメラの左右にフラッシュを1台ずつ配置して撮影した。
2灯を初めて使うと、影が気になるはずだ。カメラ内蔵のフラッシュは被写体の後ろに影ができるので(正面から光を当てるため)、カメラを縦位置に構えて撮影しない限り、影は気にならない。しかし、横や斜めにフラッシュを置くと、目立つ位置に影ができてしまう。しかも2灯あると影が2つできるので、余計に気になる。
影が2つできると、かなり違和感がある。右側のフラッシュを被写体の真上に配置すると影が1つになり、まあまあ自然になった。よく見ると、けん玉やコマの下に影ができているが、それほど違和感はないだろう。
背面にできた影を目立たなくするには、バウンスやディフューズという方法が定番だ。バウンスは壁や天井に向かってフラッシュを発光し、その反射光を使って撮影する方法。ディフューズは、ディフューザーという半透明の紙や布をフラッシュの前に配置して、フラッシュの光を拡散させる方法だ。ここでは向かってすぐ左側に壁があったので、フラッシュのヘッドを壁に向けてバウンス撮影すると、背面の影が消えた。
さらに上部からの影が気になる場合も、バウンスさせるとよい。今回は、天井にバウンスさせると反射光が弱くなってしまったため、レフ板を被写体の1メートルほど上に配置。レフ板に向けて上部のフラッシュを発光させることで、上部からの影が気にならなくなる。
全体に暗くなる場合は、調光補正が有効だ。詳細は割愛するが、フラッシュのグループを分けることで、例えばグループ「A」とグループ「B」の発光量(比率)を調整できる。グループ「A」:グループ「B」= 2:1 としたい場合(グループ「A」が2倍明るい)、カメラ側の設定「発光グループ」を「A:B」または「A:B C」にして、「A:B光量比」を「2:1」に設定すればよい。グループ「C」まで使うときはちょっと分かりにくく、グループ「C」だけ「Cグループ調光補正」の項目で設定する。
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