キヤノンは7月2日、デジタル一眼レフカメラ「EOS 70D」を発表した。発売は8月下旬で、価格はオープン。

パッケージはボディのみのものと、交換レンズ「EF-S18-55mm F3.5-5.6 IS STM」が付属するレンズキット、交換レンズ「EF-S18-135mm F3.5-5.6 IS STM」が付属するレンズキットの3種類が用意される。推定市場価格はボディのみが13万円前後、EF-S18-55mmのレンズキットが14万円前後、EF-S18-135mmのレンズキットが17万円前後。

「EOS 70D」(「EF-S18-55mm F3.5-5.6 IS STM」を装着したところ)

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2010年8月に発表された「EOS 60D」の後継モデル。ライブビュー時でも従来より高速なAFを可能にする新開発の「デュアルピクセルCMOS AF」が採用された点が最大の特徴だ。

「ハイブリッドCMOS AF」よりさらに快適になった撮像面位相差AF「デュアルピクセルCMOS AF」を採用

デュアルピクセルCMOS AFは、「EOS M」などで採用されたハイブリッドCMOS AFと同様に、撮像素子上に位相差AF用センサーが配置されたシステム。通常の撮像素子では1つの画素が1つのフォトダイオードで構成されるのに対して、デュアルピクセルCMOS AFでは1つの画素がそれぞれ独立した2つずつのフォトダイオードで構成されている。1つの画素を構成する2つのフォトダイオードが独立して光を取り込めるため、2点から捉えた画像信号を必要とする位相差AFを撮像素子上で行うことが可能となった。なお、同じ撮像面位相差AFでもハイブリッドCMOS AFではまず位相差AFで大まかな合焦を行い、最後の微調整にコントラストAFを用いていたが、デュアルピクセルCMOS AFでは最終合焦まで位相差AFで対応でき、AF速度が向上している。

撮像素子の有効画素数はEOS 60Dの1,800万画素から2,020万画素へ、画像処理エンジンは「DIGIC 4」から「DIGIC 5+」へとそれぞれ進化。対応感度も常用で最大ISO12800となった。最高約7コマ/秒の連写性能や、「EOS 7D」同等のオールクロス19点AFに対応し、快適な撮影が楽しめるようになっている。

そのほか、トレンドのWi-Fi(無線LAN)接続機能も搭載。スマートフォンと連携し、リモート撮影を行うこともできる。

主な仕様は、マウントがキヤノンEFマウントで、撮像素子が有効約2,020万画素・APS-Cサイズ(約22.5×15mm)CMOSセンサー、対応感度がISO100~ISO12800(拡張設定でISO25600が利用可能)、シャッター速度が1/8,000~30秒となっている。ファインダーは視野率が約98%(アイポイント約22mm時)、倍率が約0.95倍(50mmレンズ・∞・-1m-1)、背面のモニターは3型ワイド・約104万ドット表示の液晶方式(タッチパネル方式)。背面液晶は左右方向に180度開き、上下270度の回転が可能なバリアングルモニターとなっている。

記録メディアはSD/SDHC/SDXCメモリーカードが利用可能で、記録形式は静止画がJPEG、RAW、動画がMPEG-4 AVC/H.264(MOV形式)となっており、動画の記録画素数は最大1,920×1,080ドット(フルHD)/30pだ。付属バッテリーの撮影可能枚数は約920枚(CIPA準拠、ファインダー撮影、常温時)。

サイズは約W139×D78.5×H104.3mm、重量は本体のみで約675gとなっている。

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