既報のように、ソニーは5日(現地時間)、COMPUTEX開催中の台湾・台北でVAIO新製品に関する発表会を開催した。スペックや価格等、詳細についてはまだ明らかになっていない部分もあるが、発表会の会場では実機も展示されており、短時間ではあるが、触って試してみることができた。本記事ではその様子をレポートしたい。

会場はこの6F。COMPUTEXの南港展示場にほど近いエリアにある

発表会が終わると同時に、こちらの展示スペースがオープン

VAIO Pro 13/11

VAIO Xユーザーの筆者にとって、最も注目のマシンは重量がわずか870gという薄型軽量モデル「VAIO Pro 11」である。同社によれば、これはタッチ付きのウルトラブックとして世界最軽量だという。とにかく「軽さ」と「薄さ」にこだわったマシンで、VAIO Xの路線を継承するモデルであると言えるだろう。

世界最軽量だという「VAIO Pro 11」。期待せざるを得ない

カラーはブラックとシルバーの2色を用意

展示機には、CPUとしてCore i7-4550U(1.5GHz)が搭載されていた

TRILUMINOSディスプレイを採用。画面の解像度は1,920×1,080だった

VAIO Xは厚さ13.9mmのフラットボディだったが、VAIO Proは前方ほど細くなる"くさび"形。個人的には収納しやすいフラット型の方が好みなのだが、くさび形のVAIO Proはキーボード自体が手前に傾斜しており、手首が疲れにくいのだという。本体の厚さは、最厚部で17mm程度とのことだ。

筆者のVAIO Xと比べて見たところ。フットプリントはほとんど同じ

厚さの比較。Pro(右)の最薄部は、X(左)よりも少し薄いくらいか

キーボードはアイソレーション型で、打鍵感は可もなく不可もなくという感じ

ディスプレイを開くと、それがスタンドとなってキーボードが少し持ち上がる

軽量化のために、天板と底板にはカーボン素材を採用。これにより、同時に強度も高めた。VAIO Xは700g弱だったので、VAIO Xに慣れている筆者が持つと、確かにそれよりも少し重量は感じるものの、比較対象がVAIO Xでなければ、非常に軽く感じるのは間違いないだろう。ちなみにタッチパネルが無ければ、さらに100gほど軽くなるそうだ。

軽量機だとバッテリの持ちも気になるところだが、容量32Whのバッテリを搭載して、持続時間は8時間程度だという。オプションとして、背面にドッキングさせる形のシートバッテリも用意されており、これを使うことによって、持続時間を2倍程度まで延長することが可能だ。

シートバッテリを装着させると、その分、キーボードの傾斜が大きくなる

より大きなVAIO Pro 13(右)も用意される。11(左)と比べるとこんな感じ

ちょっと残念なのは、カラーがブラックとシルバーの2色しか用意されていないことだ。天板がカーボンのため、綺麗な塗装が難しいらしいのだが、せっかくのプレミア機であるので、またゴールドなどのカラーバリエーションも期待したいところだ。

実際に触ってみた感想だが、VAIO Xユーザーならば「買い」だ。大きさも重さもそれほど変わらず、CPUパワーは劇的に向上。バッテリ持続時間も同等となれば、むしろ買わない理由がない。あとは値段だが……、実機を見て、購入を固く決意した筆者であった。

VAIO Duo 13

またタブレット/ノートの変形が可能な「VAIO Duo 13」も発表された。従来のVAIO Duo 11 に比べ、画面サイズが大きくなっているのだが、サイズや重量があまり変わっていないのがポイントだ。

「VAIO Duo 13」。キーボード手前にタッチパッドも復活した

VAIO Duo 11(下)とのサイズ比較。確かに1cmくらいしか違わない

ディスプレイがスライドして、展開時にはノートPC、格納時にはタブレットとして利用できるのは従来と同じ。ただ、ヒンジの機構が大幅に変更されており、これにより本体サイズの増加を抑えた。また、オプティカル方式のトラックパッドは廃止され、タッチパッドが復活している。

従来(左)は幅広のヒンジだったが、VAIO Duo 13は中央部のみで支える形に

従来機はベゼル部の裏側にレールがあったため、ベゼルが広かった

展示されていたスケルトンモデル。面積の半分はバッテリが占める

こちらは従来機。VAIO Duo 13とは、CPUの位置も異なることが分かる

良く見ると、VAIO Duo 13のキーボードは少し凹んでいる

ちょうどその分だけディスプレイが厚い。ここにはWAN基板等を格納している

VAIO Duo 13のもう1つのポイントは、約18時間という長いバッテリ持続時間を実現したことだ。従来機は約7時間だったので、2倍以上になっているが、バッテリの容量自体は2~3割しか向上しておらず、Haswellの省電力性によるところが大きいとのことだ。これだけ持てば十分ということで、VAIO Duo 13ではシートバッテリは用意されない。