日本HPは27日、OSにWindows 8を搭載した法人タブレット「HP ElitePad 900 for DOCOMO」「HP ElitePad 900 for au」を発表した。800MHz帯に対応したLTE通信モジュールを積んでおり、NTTドコモの「Xi」あるいはKDDI(au)の「au 4G LTE」で通信できる。発売はドコモ版が6月下旬以降、au版が6月中旬の予定。同日、都内では記者説明会が開催された。

OSにWindows 8を搭載した法人向けタブレット「HP ElitePad 900 for DOCOMO」と「HP ElitePad 900 for au」。10.1型WXGA(1,280×800ドット)ディスプレイを搭載する

端末開発の経緯

都内で開催された記者説明会では、まず日本ヒューレット・パッカード 取締役 副社長執行役員 プリンティング・パーソナルシステムズ事業統括の岡隆史氏がスピーチ。国内のPC・タブレット市場におけるここ数年の傾向では、PCの売り上げが伸び悩む一方でタブレットの出荷が急速に伸びていることがうかがえる。この現状について、岡氏は「市場はPC+タブレットで伸びていく。ビジネスの主戦場に、新たにタブレットが加わっただけ」との考えを示し、タブレットの需要がPCの需要を丸飲みにしてしまうのでは、といった一般的な見方を否定した。

日本ヒューレット・パッカード 取締役 副社長執行役員 プリンティング・パーソナルシステムズ事業統括の岡隆史氏(写真左)。「需要を作る最初の端末が、タブレットになっただけ。買い換えのサイクルは長くなったが、PCの需要は(長い目で見れば)変わらないだろう」と話した

岡氏は「これまで主に個人ユースとして注目されていたタブレットだが、昨年あたりからビジネスへの導入を真剣に検討する企業が増えてきた。2013年のタブレットの出荷台数は600万台ほどと見られているが、そのうちの2割~3割は企業(ビジネス)で使われるのではないか」との見方を示した。

「ビジネスでのタブレット活用」について、92%がビジネス活用を希望しているという(HP調べ、5月)。バッテリでの長時間駆動やセキュリティ面の安心などが求められる

今回、日本HPが発表したHP ElitePad 900 LTE対応モデルは、同社が2012年秋に発表して2013年2月から発売した「HP ElitePad 900」(Wi-Fiモデル)のLTE対応版といった位置付けになる。基本的なハードウェアは同等だ(『日本HP、Windows 8タブレット「ElitePad 900」の価格と仕様決定』)。

LTE通信に対応したことで「ネットワークのつながりやすさ」はもちろん、「セキュリティ面での安心」についても確保できるという。その理由については、岡氏に続いて登壇した九嶋氏より説明があった。

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