Windows Blueの名で呼ばれてきた「Windows 8.1(仮)」のパブリックプレビュー版が、6月開催予定の「Build 2013」で公開されることは本誌でも既報のとおりである。ポイントはWindows 8.1がどのようなポジショニングを取り、我々ユーザーの利便性を向上させるか、にあるのだが、これはリリースされてみないと述べることは難しい。

そこで、今週はWindows Blueの噂が立ち上った2012年8月までさかのぼり、この9カ月間でどのように変化してきたか、改めてまとめた情報をレポートすることにした。しばしの間お付き合い頂きたい。さらに今週はもう一つ。「Next at Microsoft」に掲載された「インテリジェンスカー」についても簡単に紹介する。

開発コード名「Windows Blue」は年内登場

Windows 8のモダンUI(ユーザーインターフェース)は、タッチ機能を備えたタブレット型コンピューター向けのUIデザインであり、これまでのデスクトップ型コンピューターでは、完全なポテンシャルを引き出すことは難しい。だが、タッチ操作を前提にした操作体系がWindows 8への移行を抑制し、シェア率が伸び悩んでいながらも、販売数においてはWindows 7と大差ないという事実も見逃せない。

Microsoftが2010年4月22に発表したリリースによると、2010年第3四半期を通じてWindows 7のライセンス販売本数が1億本を超えたことを確認できた。Windows 7は2009年10月22日が一般向けリリース日なので、約半年で達成したことになる。

その一方で先日寄稿したニュース記事でも述べた様に、今年5月早々には、Windows 8のライセンス販売本数が1億本を超えたことを、同社のWindows担当チーフマーケティングオフィサー兼チーフファイナンシャルオフィサーであるTami Reller(タミ・レラー)氏は発表した。Windows 8の一般向けリリース日は2012年10月26日であることを踏まえると、こちらも約半年で1億本に達したことになる。

もちろんライセンス販売本数と実際のシェア率はイコールではない。Windows XPやWindows Vista、Windows 7ユーザーを対象に期間限定でダウンロード販売されたWindows 8 Proアップグレード版は、39.99ドル(3,300円)という非常に割安な価格で購入できたため、すぐにWindows 8へ移行しなくとも“とりあえず購入した”というユーザーも少なくないようだ。

Microsoftの最高経営責任者であるSteven Ballmer(スティーブ・バルマー)氏は、2012年5月に国内で行われた「Windows Partner Executive Summit」で、Windows 8の登場を同社やコンピューター市場を「再創造」するタイミングと述べ、過去最大の広告宣伝費となる20億ドルを投入すると強気の姿勢を見せていた。

そもそもWindows 1.0のテレビCMにも登場したBallmer氏が、弱きの態度を示すこと自体があり得ないが、残念ながら同サミットで同氏が述べた「Windowsにとって重要な1年」からちょうど1年を数える現在、注目はWindows 8ではなく、次期Windows OSの開発コード名と噂されている「Windows Blue」に集まっている(図01~02)。

図01 2012年5月12日に日本で行われた「Windows Partner Executive Summit」。Windows 8の登場を「再創造」と捉えていた

図02 来日し、Windows 8のアピールするMicrosoftの最高経営責任者、Steven Ballmer(スティーブ・バルマー)氏

そもそもWindows Blueというキーワードがネット上を駆け巡ったのは、2012年8月頃。Windows 8のボリュームライセンス販売やMSDN/TechNetでの配布が始まった2012年8月16日直後だ。その頃は大方の予想どおり「Windows 9」や「Windows Next」という呼称も俎上(そじょう)に上がっていたが、その時点ではWindows 8に続くOSなのか、Windows XP Service Pack 2に相当する大型アップデート版なのか、判断する術はなかったように記憶している。

時が経過するごとに臆測なのかリークなのか判断できない情報が錯綜(さくそう)するようになり、アップデート版であることが濃厚と言われ始めたのが2012年11月後半だ。海外ニュースサイトである「THE VERGE」や「Neowin.net」では、大型アップデートもしくは非常に割安な有償アップデート版ではないか、と述べている。ちょうどMacintosh向けOSであるOS Xが、セキュリティホールの修正や機能向上を目的としたマイナーアップデート版をほぼ毎年リリースしている方法をまねるのではないかと言われていた。