iPhone人気に推されてMNP転出超過が続くドコモだが、「AQUOS PHONE ZETA SH-02E」やXperia Zなど、60万台を超える販売を記録した商品も出てきており、「競争力は確実に改善している」と加藤社長は語る。

端末に加え、ネットワークでも年度末までにXi基地局を5万局に拡大。当初計画を1年前倒して達成させるほか、より高速な75Mbps対応基地局を6月までに15,000局に、112.5Mbps対応エリアは10都市に、こちらも前倒しで拡大する。また、下り最大150Mbpsサービスも今期中に開始する予定だ。

このほか、スマートフォンの初心者などが、迷わずに人気コンテンツを使えるように、約100コンテンツを使い放題で利用できる「スゴ得コンテンツ」をスタートするなど、サービスをパッケージ化して提供するなど、コンテンツサービスも拡大する。

さらに、らでぃっしゅぼーややドコモ・ヘルスケア、オークローンマーケティングなどによってヘルスケア分野に参入し、アプリや体組成計などと連動した健康管理サービスを提供。それにもとづいて食事や運動、保険・医療などを提案する事業を行うなど、新領域分野を拡大する。

こうしたサービスは、携帯・固定のネットワークを問わないネットワークフリー、あらゆるデバイスから利用できるデバイスフリーを前提として、ドコモクラウドを活用したサービスプロバイダー、プラットフォーマーとして位置づけるのが狙い。さらにグローバル展開も想定する。

新領域収入は約7,000億円を目指し、スマートAPRUも510円まで拡大することを計画している。売上高は4兆6,400億円、営業利益は8,400億円が目標だ。

なお、ドコモクラウドのサービスの1つである「ドコモメール」については、延期を繰り返しており、サービス提供が10月まで伸びたている。加藤社長は、「iモードからの引き継ぎや、クラウドで実現したいことのすりあわせが、思いも寄らないところでうまくいかないことが分かった」と延期理由を説明。「きちっと腰をためて作り直せと命令した」ことで、「全体に近い見直し」になり、10月までの延期になったという。ただ、これ以上の延期はできない、としており、10月の開始を確実にしたい考えだ。

KDDIは、携帯事業と固定事業の3M戦略をさらに強化。グローバル戦略を推進することで、さらなる利益拡大を目指しており、「新たなステージに向けて」とスローガンを掲げる。

au携帯の利用世帯とブロードバンド契約世帯のうち、auスマートバリュー利用世帯がまだ212万世帯しかなく、これを拡大することで通信料収入を拡大。au IDをベースにしたauスマートパスを強化し、そこからさらにうたパスやビデオパスなどのコンテンツサービス、O2Oを始めパートナーとの協業によるビジネスも拡大し、付加価値ARPUの拡大も図る。

グローバル戦略では、まずはアジア地域での事業を推進・発展させていきたい考えだ。今後3年間、毎期2桁成長を目指し、2014年3月期では4兆1,400億円の売上高、6,300億円の営業利益を目指す。

ソフトバンクは、Sprint Nextelの買収を7月にも完了し、国内1位の業績に続き、世界1位のモバイルインターネット企業を目指していく。もともとソフトバンクは戦略について多くを語らないため、その内容については明らかではないが、国内の売上高では4兆6,020億円、営業利益では1兆円以上を達成したい考えだ。