手書きによって認識された文字の第1候補が正しい場合、次の文字を手書きすれば、候補が自動確定されて入力されるので、候補を選ぶことなくすばやい入力ができる。ただし、実際に使ってみたところ、漢字などの認識精度がそれほど高くはなく、1文字ずつ候補を選んで入力していく形式のため、熟語などを予測変換でスムーズに入力したり、ひらがなを入力して漢字に変換できないなど、日本語の手書き入力としては、もう一歩といった印象だ。

漢字やひらがな、カタカナの手書き入力が可能。ただし、認識精度はもう一歩の印象

iPhoneアプリでも定評のある音声認識による入力

Swypeの提供元であるNuance Communicationsは、音声認識ソリューションを提供する会社としても知られており、iPhone向けの音声入力メモアプリ「Dragon Dictation」なども開発している。SwypeにもDragon Dictationと同様の音声認識機能が搭載されており、キーボードの[Dragon]ボタンを押すことで、マイクを起動して日本語での音声入力が可能となっている。

試用してみたところ音声認識の精度はかなり高く、Google音声入力と同等か、それ以上かもしれないといった印象だ。とくに長文の音声入力に強く、長めの文章でも一気に話して入力することが可能だった。

iPhoneアプリ「Dragon Dictation」と同様の音声認識機能で音声入力が可能

ジェスチャー操作でコピー&ペーストが可能

他の文字入力アプリでは見かけない機能として、Swypeのもうひとつの特徴となっているのがジェスチャー操作だ。パソコンのショートカットキーのような機能で、キーボード左下の[ジェスチャー]キーをタッチし、そのまま[A]キーまでスワイプすることで、テキストの全選択が可能。パソコンで[Ctrl]+[A]キーというショートカットをよく使う人にはわかりやすいだろう。

同様に、[ジェスチャー]キーから[X]、[C]、[V]キーまでスワイプすると、それぞれ選択したテキストの"カット"、"コピー"、"貼り付け"が可能となっている。また、テキストの操作以外にも、[ジェスチャー]キーから[G]→[M]キーとスワイプすることで、「Googleマップ」を起動することができる。

[ジェスチャー]キーからのスワイプにより、テキストの全選択やコピー&ペーストなどのジェスチャー操作が可能

Swypeはこのほかにも、ユーザーが使用した単語を学習し、それにもとづいて候補を予測するというユーザー辞書機能を備えている。Googleアカウントを登録すれば、ユーザー辞書をクラウドにバックアップすることができ、複数端末で同じユーザー辞書を利用することが可能となっている。

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Android向けの日本語入力アプリでは、フリック入力などテンキー配列のものが人気だが、QWERTYキーボードを好んで使っている人にとって、スワイプ操作でなめらかに入力できるSwypeは有力な候補となり得るだろう。とりわけ、画面の大きいスマートフォンなどで使われるスタイラスペンとSwypeとの相性は良さそうだ。

また、Google音声入力とは異なる音声入力やジェスチャー機能など、他では使えない独自機能もSwypeの魅力だ。いま使っている文字入力アプリに不満がある人や、いろんな文字入力アプリを使ってみたい人は、ぜひ無料体験版でSwypeを試してみてはいかがだろうか。