拡張性の高いクレードルを取るか、キーボードを取るか
W700には、Bluetoothキーボードではなくクレードルが付属。本体の重さが1kg弱あるので、普段使うときは、クレードルに置いて使うことが多くなりそうだ。クレードルは充電スタンドになるだけでなく、ブラウジングや映画、ゲームなどを楽しめるように、20度または70度のどちらか好きな角度で端末を設置できるように工夫されている。20度はタッチ操作しやすく、ゲームなどをプレイするのに向く。70度では、ノートPCの作業スタイルに近い表示となる。外付けキーボードを利用すれば、W700をノートPC風に使える。このほか縦置きにも対応し、電子書籍やインターネットを縦画面で楽しめる。
クレードルには、USB 3.0ポートが3つある点にも注目したい。W700はWindows 8を搭載しており、ここにはさまざまな周辺デバイスを接続可能だ。マウスやキーボードをつなぎながら、外付け型HDDやメモリカードリーダーなどを接続するなど、ノートPC並みの環境を簡単に構築できる。
クレードルとの接続は、本体左側面にあるUSBポートと、電源コネクタの2つを差し込む。差し込み口の位置を合わせて、押し込むようにして接続するので、頻繁に抜き差しするのは少し面倒に感じた。
一方のW700Dは、専用のカバーが付属しており、Bluetoothキーボードとセットで持ち歩くのが基本だ。使用時は、キーボード側に設けられたみぞに本体を固定する。キーボードには電源ボタンも用意されているので、長時間使わないときはオフにしておく。
難点は拡張性が低いことだ。クレードルがないため、利用できるUSBポートが1つしかない。例えば、付属のBluetoothキーボードを充電するためにUSBポートを使うと、それですべて埋まってしまう。また、カバーとキーボードを合わせると、重さが約1.6kgになり、軽量ではなくなる。モバイルで利用するときはタブレット、屋内ではノートPCスタイルというような使い分けが必要かもしれない。
さて、W700/W700Dを選ぶのは、タブレットに興味はあるが、iPadやAndroidタブレットなどでは本格的な「作業」ができないと不満を持っている人たちではないだろうか。W700/W700Dなら、こうしたニーズにぴったりはまる。タブレットでありつつ、ミドルクラスのノートPCに匹敵する性能を持ち、どこにいてもOfficeソフトなどをばりばり使える。
おそらくライバルであろう軽量ノートPCやUltrabookと比べて、W700/W700Dには、タッチパネルでWindows 8のUIをフルに活用できるアドバンテージがある(最近はタッチ対応のモバイルノートPCやUltrabookも増えているが)。W700なら付属のクレードルを使って、据え置きのノートPC風にも使え、クレードルから外せば純粋なタブレットとして利用できる。W700Dは、高速なCPU、大容量のSSDを持ち、より高い性能を必要とする人向けだ。Bluetoothキーボードは、ノートPCスタイルで使うことが多い人にぴったりである。W700とW700Dのどちらを選ぶかは、普段の利用スタイルに合わせてじっくり検討していただきたい。
製品名 | ICONIA W700 | ICONIA W700D |
---|---|---|
ディスプレイ | 10点マルチタッチ対応11.6型IPSワイド光沢(1,920×1,080ドット) | |
OS | Windows 8 64bit版 | |
CPU | Intel Core i3-3217U(1.8GHz) | Intel Core i5-3337U(1.8GHz) |
グラフィックス | Intel HD Graphics 4000(CPU内蔵) | |
メモリ | 4GB | |
ストレージ | 64GB SSD | 128GB SSD |
光学ドライブ | なし | |
主なインタフェース | IEEE802.11a/b/g/n対応無線LAN、Bluetooth、HDMI出力、USB 3.0、ヘッドホン出力 | |
バッテリ駆動時間 | 約9時間 | |
本体サイズ/重量 | W295×D191×H11.9mm/約950g | W295×D191×H11.9mm/約950g |
付属クレードル | ○ | × |
付属Bluetoothキーボード | × | ○ |
店頭予想価格 | 75,000円前後 | 90,000円前後 |