説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりが正しく理解していないこともあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、「つなぐ公衆無線LANによって速度差があるってホント?」という質問に答えます。

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喫茶店やレストラン、駅のホームやホテルのロビーなど、日本中の要所要所に「公衆無線LANアクセスポイント」が用意されています。iPhoneを新規契約すれば、ソフトバンクなら「ソフトバンクWi-Fiスポット」、au/KDDIなら「au Wi-Fi SPOT」という公衆無線LANサービスが無料で利用できますから、サイズの大きいアプリをダウンロードするときなどに便利です。

それらの公衆無線LANサービスは、アクセスポイントによって対応する接続方式が異なることがあります。ほとんどのアクセスポイントは「IEEE 802.11b」と「IEEE 802.11b」に対応するため、iPhoneにかぎらずゲーム機など多くの端末から接続できます。このIEEE 802.11b/gが利用する周波数帯(2.4GHz)は、多くの端末に利用されるため混雑しやすく、電子レンジなど家電製品からの干渉もあるため、アクセス速度が低下しがちです。

しかし、iPhone 5からサポートされた「IEEE 802.11n」という方式は、2.4GHz帯にくわえて5GHz帯でも通信可能です。5GHz帯は2.4GHz帯に比べ混雑が少なく、家電製品による干渉を受けません。5GHz帯は電波の直進性が強いため、壁やドアなど遮蔽物に影響を受けやすいという弱点はありますが、見通しのいい場所であればアクセス速度は2.4GHz帯より上です。

他の条件にも影響されますが、おおむね「IEEE 802.11n(5GHz)に対応する公衆無線LANアクセスポイントのほうが速度は上」と言えます。au Wi-Fi SPOTは、全国20万以上のアクセスポイントのほとんどが5GHz対応ですから、iPhone 5ならば良好な速度が期待できます。ソフトバンクWi-Fiスポットも、5GHz対応を急ピッチで拡大中とのことですから、「IEEE 802.11n/5GHzに対応するiPhone 5は公衆無線LANが速い」と言い替えても差し支えないでしょう。

写真で解説

iPhone 5の場合、5GHz対応の公衆無線LANアクセスポイントであれば高速に接続できます