「サクサク快適」でおなじみ、カシオ計算機のコンパクトデジタルカメラ「EXILIM」シリーズから、本体デザインを一新した最新機種「EX-ZR700」(以下、ZR700)が登場した。フラッグシップ機「EX-ZR1000」同様の「EXILIMエンジンHS Ver.3」を搭載し、さらにシリーズ初となるレンズシフト式の光学式手ブレ補正を採用。しっかり実用できる光学18倍ズームレンズや、高速3連写で写真の新たな楽しみ方をひらく「トリプルショット」など、従来のストレスゼロ思想を継承しつつ、一歩進んだ撮影機能を身にまとっている。今回は、このZR700のファストレビューをお送りしたい。

「EX-ZR700」

光学18倍・プレミアムズーム36倍!を支える強力手ブレ補正

ZR700と同時に発売されたEX-ZR400が従来のZRシリーズの流れを汲むデザインであるのに対し、ZR700は別体化された軍艦部など、EX-ZR1000のデザインに近い。高倍率ズーム機らしく、ポップアップ式になったフラッシュや望遠撮影時の安定感を増してくれる大型グリップも特徴的だ。グリップ部は、大きさもさることながら内側が曲面形状に凹んでおり、握ったときに中指の腹が非常に良い具合にフィットする。背面側の親指位置に設けられた滑り止めと合わせて、ズーム撮影をしっかりサポートしようとするデザインに好感が持てる。本体まわりの写真は後半でまとめて紹介したい。

さて、看板機能の1つである光学18倍ズームレンズは、広角25mm相当から450mm相当をカバー。超解像プレミアムズームを併用すると36倍、なんと900mm相当となる。これなら、風景写真から飛行機まで、日常生活で撮影できないものはまずない、といっていい。

レンズ広角端で撮影した画像。焦点距離は25mm相当で、風景写真に適した焦点距離だ(オリジナル画像を見る)

同じ場所から望遠端までズームした状態。焦点距離は450mm。広角側ではほとんど見えなかった富士山が、こんなに大きく!(オリジナル画像を見る)

超解像プレミアムズーム(36倍)使用時。焦点距離は、なんと900mm。画像サイズを保ちつつ、デジタルズームのような画質劣化がないのも魅力(オリジナル画像を見る)

ただ、ZR700のレンズF値はf3.5-5.9。望遠端は開放値でもf5.9なので、当然ながらシャッター速度は低下する。そこで、望遠および超望遠撮影をアシストしてくれるのが、強力な手ブレ補正機構だ。

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