米Mozillaは、世界最大級の携帯関連イベント「Mobile World Congress 2013」の開幕前日となる2月24日(現地時間)、プレスイベントを開催し、モバイル端末向けのOSである「Firefox OS」の今後の展開について発表した。世界17の通信事業者がFirefox OSに賛同し、4社のメーカーが端末の提供を予定だ。日本ではKDDIがサポートを表明。2014年後半にも端末提供の意向を明らかにしている。
Firefox OSは、HTML5をはじめとしたWebのオープン技術を活用したモバイル向けのオープンプラットフォーム。標準かつオープンな技術を採用することで、特定の会社に縛られない、よりオープンなモバイル環境の実現を目指している。
Firefoxは、初期バージョンを含めると2002年から提供されているオープンソースのWebブラウザ。オープンでフリーのブラウザであり、Webの標準技術への積極的な取り組みを続けており、ブラウザとして一定の地位を確保している。
そのFirefoxの名を冠したモバイルOSが登場するのは、「フリーなWeb」をモバイルの世界にも持ち込み、「フリーなモバイル」を実現するためだ。米AppleのiOSや米GoogleのAndroidのようにOS(というよりもプラットフォーム)ベンダーが主導するのではなく、より自由に、より柔軟にOSを活用してモバイルの世界を進化させるのが目標となる。Mozilla CEOのGray Kovacs氏は、「我々は制約のないモバイルのために活動している」と強調。「利益を追求していない」というコメントからも、その方針が伺える。
「1つのアプリストアだけを持つことはない」とKovacs氏。「1つか2つの会社がアプリを承認すべきだとは思わない」と話し、アップルやグーグルによる独占に対する第3極を目指す意向を示す。サポートする端末メーカーとして、Kovacs氏はZTE、Alcatel One Touch、Huawei、LGの4社を紹介。まずはこの4社がFirefox OS搭載スマートフォンをリリースしていくことになる。
続いて、米Qualcomm CEOのPaul Jacobs氏が登壇。HTML5といったWeb標準技術を活用するFirefox OSへのサポートをアピールする。
QualcommのチップセットとFirefox OSを搭載したスマートフォンとして、ZTE OpenとAlcatel One Touch Fireの2モデルのスマートフォンが披露された。いずれもコンパクトなボリュームゾーン向けと思われるスマートフォンで、前面下部にホームボタンがあるほかはフラットなフルタッチで操作する端末となる。