レノボのThinkPadというブランドは、伝統的なビジネス向けのブランドである。要求の厳しいビジネスでも「使える」ことが至上命題だ。それはタブレット型のコンピュータにおいても変わらない。今回は、「ThinkPad Tablet 2」を試してみた。

ThinkPad Tablet 2 36794DJ(タブレット・ペン対応モデル)

見た目もサイズもAndroid/iOSタブレットと肩を並べるフルWindowsタブレット

先代のThinkPad Tabletと、ThinkPad Tablet 2ではOSが異なるのが最も大きな違いだ。ThinkPad Tabletが採用していたのはAndroid、ThinkPad Tablet 2はWindows 8である。そしてWindows RTではない。通常のWindows 8であるため、パフォーマンスは別としても、ノートブックPCやデスクトップPCと「まったく同じアプリケーションが動く」というのが強みだ。初代のAndroidでも仕事ができないわけではなかった。ただ、多くがWindows用に開発されている業務アプリケーションとの親和性という面では大きな強みだ。

しかし、WindowsのタブレットPCというと、そこまで軽量なものは少なかったし、長時間駆動を実現するのも難しかった。最近でこそ軽量カテゴリとしてUltrabookが登場し、そのコンバーチブルタブレットが注目を集めているが、それらは1kg台の重量がある。AndroidやiOSのタブレットに匹敵するWindowsタブレットというのがThinkPad Tablet 2である。なお、Windows RTでは確かにこのクラスのタブレットがあるが、アプリケーションでx86/x64版Windowsと互換性があるわけではないので、親和性の面で見ると結局Windows 8を搭載したタブレットが最適解ということになるだろう。

ThinkPad Tablet 2の本体は、サイズがW262.6×D164×H9.8mm、液晶パネルは10.1インチで1366×768ドット、重量は約600gといったスペックだ。NFCなしモデルなら約570gとさらに軽い。実際に持ってみた感覚で言っても、厚み、重量とも第3世代iPadと同じ程度だ。また、IPSパネルを採用しているために視野角も広い。平らな場所に置いて複数人で覗きこむようなシーンでも活躍する……というかTNパネルのThinkPadノートよりも文字、画像ともに綺麗なのは、ThinkPadのいちユーザーとしては少々悔しい。

左からThinkPad Tablet 2(10.1インチ)、第3世代iPad(9.7インチ)、Nexus 7(7インチ)。ThinkPad Tablet 2はワイド液晶なので、4:3アスペクトのiPadと比べると高さがあるぶん幅が狭い

第3世代iPad、ThinkPad Tablet 2、Nexus 7の順で重ねてみたところ。ThinkPad Teblet 2はNexus 7を拡大したイメージ。iPadが241.2×185.7mmなので、平置きでの専有面積で言えばThinkPad Tablet 2の方がわずかに小さい

3台を重ね横からみたところ。iPadは9.4mm、ThinkPad Tablet 2は9.8mmと僅かな差。写真のNexus 7は3Gモデルで、10.65mm(Wi-Fiモデルは10.45mm)あるのでThinkPad Tablet 2の方が薄い。なお、重量はひとまわり小さいNexus 7 3Gが350g(Wi-Fiモデルは340g)と最軽量で、それに続くのがThinkPad Tablet 2、最も重いのがiPadとなる

インタフェースは、通常のノートPC版ThinkPadというよりはタブレット寄りだ。しかしThinkPad的な、利便性も追求している。まず左側面にはUSB 2.0×1(カバー付き)、micro USB(充電用)がある。フルサイズのUSB 2.0ポートを備えるAndroidタブレットは少なく、搭載していても多くはクラムシェル型だ。USBメモリやキーボードといったWindows PCで一般的に利用されているUSB機器がそのまま挿せる点は便利で、さらにThinkPad Tablet 2はx86ベースの"PC"であるため、ドライバの心配というのも少ない。レビューするにあたって、ThinkPad USB トラックポイントキーボードを接続してみたが、当然、何ら問題なく認識される。

左側面にはフルサイズのUSB 2.0を搭載。その横には充電用のMicro USBを搭載している

続いて右側面にはマイク/ヘッドホン・コンボ端子とボリュームの大小ボタン、画面の回転ロックボタンがある。画面の回転ロックボタンはタブレット特有と言える。平らな場所に置いた際などで、センサーによる画面回転を防止する機能だ。AndroidやiOSタブレットの多くのモデルにも搭載されている。

右側面には、左から順に画面回転ロックボタン、ボリューム大小ボタン、マイク/ヘッドホンコンビ端子が並ぶ

ほか、タブレット・ペンの収納穴とmicroSDカードスロット、電源ボタンは上面に、底面にはMini HDMI出力とドック専用コネクタを、カメラはイン側、アウト側双方に備える。

上部中央にはカバー付きのMicro SDカードスロットを備える。その横にSIMカードスロットがあるが、国内モデルでは利用できないのが残念だ

上部右隅にはタブレット・ペンを収納できる。タブレット・ペンはThinkPadらしい赤ポッチデザインがアクセントとなっている

電源ボタンは上部左隅。小さく、やや押しづらいが、誤操作防止にはなりそうだ

裏面、カードスロット付近にアウト側カメラを装備する。ただ、他のタブレット同様、サイズ的にあまり使い勝手のよいものではなく、メモ撮り程度の活用に留まりそうだ

ドック専用コネクタを使えば、ThinkPad Tablet 2ドックや専用Bluetoothキーボードなどと組み合わせることができる。前面のインカメラは200万画素、背面のアウト側カメラは800万画素だ。とりわけ高画素というわけではないが、イン側はビデオ会議に、アウト側は現場におけるちょっとしたメモや報告などに活用できる。

底面にはドック専用コネクタ(左)とMini HDMI出力(右)を備える。変換アダプタが必要だが、HDMIプロジェクタを繋ぎ、パワーポイントでプレゼンテーションすることができる。純正オプションにはVGA変換アダプタもある

なお、ThinkPad Tablet 2には367928Jと36794DJモデルの2つが存在する。両者の違いは、NFCへの対応とタブレット・ペンへの対応、それに伴う重量という3点がある。36794DJ側がNFCとタブレット・ペン対応モデルだ。そして注意点となるのが、2つのモデルで液晶パネルが異なる点。あとからタブレット・ペンを購入して367928Jで使おうとしても不可能だそうだ。液晶パネルの指紋痕が気になる方は、タブレット・ペン対応の36794DJモデルを選びたい。

充電は、先述のMicro USB端子で行う。Micro USBで充電できるというのは新鮮な感覚だ。こうしたデバイスをレビューするのは、富士通のWindows 7フォン「F-07C」以来である。Windowsだからと言っても、充電時間は3~4時間で、実際4%で充電開始して3時間半経過した頃には99%まで充電されていた。この点も感覚的にAndroid・iOSタブレットと同じだ。

無線LAN機能はIEEE802.11a/b/g/nに対応している。802.11aにも対応しているのはポイントだろう。内蔵センサーは、GPS、コンパス、周辺光、近接など。このあたりもおよそAndroid/iOSタブレットと同等機能を搭載していると言える。

無線LANはSDIO接続のBroadcom製チップを採用

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