PCを買い替える際、それまで使っていたPCはどうしているだろうか? サブマシンとして使い続ける人、家族や友人に譲る人、オークションに出品する人もいるかもしれないが、中古ショップなどの買い取りサービスを利用したことのある人も多いだろう。

NECでは、ユーザーから不要になったPCを買い取り、それを再生して「リフレッシュPC」として販売する事業を行っている。資源を有効活用することで産業廃棄物の発生やCO2の発生を抑制する環境貢献につながり、ユーザーにとってはPC買い替え時の有益な選択肢となる取り組みだ。今回はそのリフレッシュPC事業の拠点となる同社群馬事業場をレポートしよう。

NECパーソナルコンピュータ 群馬事業場

リフレッシュPC事業の仕組みと再生フロー

東日本テクニカルセンター 星野敬正センター長

安心への期待を裏切らないHDD完全消去

一般の中古ショップではなく、NECに買い取りを依頼するユーザーの心理としては「安心感」がもっとも大きいものだろう。事実、買い取りの申し込みをする中心層は「35歳以上のNECファンが中心」であるという。NECのPCからNECのPCへ買い替えていく層である。

これは、PCを中古として手放す際に"不安"があることの証左でもある。自分の住所や生年月日、銀行口座やクレジットカード番号などがHDDに残っているかも……、と個人情報の漏洩に対する声がユーザーの心配ナンバーワンであるという。その点同事業場では、NSA推奨方式に基づいた独自開発のデータ消去ソフトを用いてHDDに3回のデータ上書きを行い、市販ソフトで復元できないことを確認している。

HDD消去を実行中

市販ソフトでは復元不可

HDD消去後にOSのインストールが行われる。作業終了メッセージが懐かしすぎる雰囲気!

出荷時のOSをインストールするのがリフレッシュPCの基本

さらにユーザーが旧PCを送る際には「貴重品扱い」で運ばれ、セキュリティを保っている。なお、ユーザーが同事業場にPCを送る際に、購入時の箱は不要。"銀箱"と呼ばれる専用の箱があり、宅配業者が自宅まで引き取りにくる仕組みとなっている。

これが通称「銀箱」

貴重品扱いで運ばれてきた銀箱

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