米Appleは2月11日(現地時間)、「iOS 6.1.1 ソフトウエアアップデート」の提供を開始した。iOS 6.1にアップデートしたiPhone 4Sでモバイルデータ通信が不安定になる可能性が報告されており、その問題を修正する緊急アップデートだ。開発者向けの提供が始まったばかりのiOS 6.1.1ベータとは異なるアップデートと見られている。

Appleは1月28日にiOS 6.1をリリースしたが、特に欧州やオーストラリアのユーザーの間で同バージョンにアップデートしたiPhone 4Sの問題が深刻化していた。複数のiPhone 4Sユーザーが3Gネットワークで断続的に接続が不安定になる問題を訴えているとして、英Vodafoneは顧客に問題解決までアップデートを待つように勧めていた。

iOS 6.1.1 ソフトウエアアップデートの内容はiPhone 4Sのモバイルデータ通信の問題修正のみで、セキュリティアップデートはない。従来のスケジュールに組み込まれていなかったアップデートであるようだ。2月6日に9to5MACなどが、日本のマップの大幅強化を含むiOS 6.1.1ベータの開発者向け提供の開始を報じたが、同誌の取材に対してAppleは「iOS 6.1.1ベータは次の開発者向けリリースで異なるバージョンに変更する」と回答したという。日本の地図データの追加はiOS 6.1.2以降に含まれる模様だ。

iOS 6.1については、モバイルデータ通信のパフォーマンス問題のほかにも、発熱バッテリー消耗の問題などがiPhoneユーザーから報告されている。バッテリー消耗問題はiOS 6.1アップデートの対象であるすべてのiPhone機種で起こっており、Appleに対応を求める声が高まっている。