ハイブリッドHDDの効果は起動復帰に

UltrabookのストレージといえばSSDを用いた製品が多いが、ボディ容積に余裕のあるT15では、SSDをHDDのキャッシュとして運用するタイプのハイブリッドストレージを採用。同社はこれを「ハイブリッドHDD」と呼んでいる。今回使用したT15では、1TB HDD(5,400rpm)に24GB SSDの組み合わせだ。

通常の2.5インチHDDにmSATAのSSDの組み合わせ。写真やや右に見えるのは4GB×2のメインメモリ

また、ノートPCではIntelの「Smart Responce Technology」のようなハードウェアの縛りが強い技術は使わず、サードパーティ製ソフトによるSSDキャッシュ技術を用いるのが一般的だ。T15ではCondusiv社製の「ExpressCache」というソフトウェア的なソリューションが採用されている。「Program Files」内には、それ用のフォルダが一応存在したが、GUIの設定ツール類は発見できなかった。

CrystalDiskMarkの結果の結果(1,000MB×5、ランダムデータを使用)

さて、「CrystalDiskMark」でのベンチマーク結果だが、シーケンシャルリードが100MB/sec程度、ランダムアクセスに関しては典型的なHDDの性能しか出せていない。10回程連続でテストを繰り返してみても、この上限を突破する気配はない。ただし、アプリの起動やスリープからの復帰は非常に速く、HDDがメインストレージとは思えない軽快さ。つまりシステム関連のファイルをSSDに重点的にキャッシュするような仕掛けと推測できる。

SSD(ディスク1)の14GB強がキャッシュに割り当てられている

普通のユーザーならこれでもよいが、SSD搭載機ならではのファイル操作レスポンスを期待するパワーユーザーは少々肩透かしを食らうかもしれないので、「VAIOオーナーメードモデル」のCTOでSSDだけの構成を選択するのが得策だ。

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