シンプルだが、地上デジタル放送を精細な映像で楽しめる
受信できる放送は、地上デジタルのみだ。選局は、リモコンの数字ボタンでダイレクトに放送局を選ぶか、画面上にリストを表示させて、上下ボタン、決定ボタンで行う。EPG機能は搭載していない。そのため、画面上に放送局のリストを表示した状態でも、そこには現在放送されている番組名などは表示されない。なお、モニターユニットにはタッチ式のセンサーが内蔵されており、チャンネルの切り替えや音量調節だけでなく、メニューから各種設定なども行うことが可能だ。
映像に関してだが、モニターユニットが装備している液晶パネルは10.1V型で、パーソナルな環境で使用するのならば、それほど小さくは感じられない。画質も、ワンセグタイプの浴室用テレビとは比べ物ににはならない。ある程度以上ののサイズ、例えば7V型といったサイズの画面でワンセグ放送を見ると、画質的に耐えられないものがあるのだが、WIRELESS ZABADYのモニターユニットは、それらと比べると圧倒的に精細だ。また、無線で伝送されているが、チューナーをリビングに、モニターユニットを浴室に設置して視聴した場合でも、コマ落ちや画質の低下は、筆者が見た限りでは感じられなかった。
気になる防水性能は?
WIRELESS ZABADYの防水性能は、IPX 7相当となっている。これは、水深1mに30分間沈めても内部に水が入らない構造とされている。モニターユニットにはイヤホン端子が装備されている。もちろん、イヤホン端子は防水ではないのだが、ここはロック式で、密閉されるような構造になっている。付属のリモコンも防水タイプだ。背面の電池ケースの部分が、やはりロック式だ。
写真では、浴槽の縁の部分にモニターユニットを置いて使用している。モニターユニットには折り畳み式のスタンドが装備されており、本体だけで十分に安定して立たせることが可能だ。モニターユニットに装備されているタッチセンサーは感圧式で、手が濡れていても、問題なく使用できる。
なお、どのくらい水に強いのかを確かめてみようと思い、至近距離からダイレクトにシャワーで湯を掛けたところ、モニターユニットに配置されているタッチセンサーに反応してしまい、メニュー画面に戻ってしまった。もっとも、普通はこういった使い方はしないはずなので、問題はないだろう。
浴室で使用した後、表面の水滴をタオルなどで拭くだけで、そのままモニターユニットを部屋に持っていけるのも便利だ。なおモニターユニットの背面には持ち運び用の取っ手も装備されている。
まとめ - 使い勝手は?
WIRELESS ZABADYは、非常にシンプルなテレビで、できることは地上波デジタル放送の番組を視聴することだけだ。操作面でもイレギュラーな点はなく、オンスクリーンのヘルプ機能も充実しており、迷うことは、ほぼないだろう。
機能面はシンプルなのだが、チューナーとモニターを別ユニット化し、モニターユニットだけを持ち運べるようにしたスタイルが、使用範囲を大きく拡げている。浴室向けの製品ではあるが、浴室だけでなく、アンテナ端子のない部屋で使用するセカンドテレビとしても十分に使用できる製品だ。
ただし、多少なりともクセがないわけではない。番組表を搭載していないため、どんな番組が放送されているのかは、テレビのチャンネルを変えてみないと分からない。それでいながら、起動時だけでなく、チャンネル切り替えにも少々時間がかかる。同社によると、時間がかかるのは、無線で映像と音声を伝送している関係で、コントロール信号を送った際にその認証などを行う必要があるためとのことだ。便利なスタイルと引き換えということならば、多少のことは我慢というところだろうか。