サインイン(Sign In)

我々には直感的に理解できない単語が用いられることが多いコンピューターの世界。新たに登場するWindows 8を踏まえつつ、Windows OSで用いられる単語(=キーワード)を個別にピックアップし、詳細な解説をお送りする。今回取り上げるキーワードは、Windows 8から用いられるようになった「サインイン」「サインアウト」だ。

Windows 8キーワード一覧

「プロパティ」とは
「アクセス制御リスト」とは
「アカウント」とは
「ユーザーアカウント制御」とは
「アイコン」とは
「デバイス」とは
「パス」とは
「ボリューム」とは
「共有フォルダー」とは
「ホームグループ」とは
「カーネル」とは
「プライベートネットワーク」とは
「レジストリ」とは
「ピン留め」「ジャンプリスト」とは
「デスクトップ」とは
「タスクバー」とは
「エクスプローラー」とは
「Windowsストアアプリ」「デスクトップアプリ」とは
「チャーム(Charm)」とは
「スタート画面(Start Screen)」とは
「タイル/ライブタイル(Tile/Live Tile)」とは
「アプリバー(App Bar)/ナビゲーションバー(Navigation Bar)」とは

「サインイン(Sign In)」「サインアウト(Sign Out)」

Windows OSをユーザーが使用するために必要な手順の一種を指す呼称。従来は自身のユーザーアカウントを用いてWindows OSを使用可能にする際、「ログイン」というアクションを実行していた。そもそもログインとは、ユーザーを識別するためのリソースを用いて、アクセスに必要な資格を取得するための操作方法である。一般的にはアカウントとパスワードが対となるが、登録した指紋を用いる生体認証や、個人に配布されたスマートカードを用いるケースも少なくない。なお、ログインという方法により取得したセッションを終了し、他のユーザーが使用可能にする操作を「ログアウト」と呼ぶ。

そもそもログインとは、UNIXで用いられるようになった呼称だが、Microsoft製品に関してはログインではなく「ログオン」、ログアウトではなく「ログオフ」という呼称を用いてきた。今回確認したところマルチユーザーに対応した最初のWindows OSとなるWindows 95は、既にこれらの呼称を用いていた(図01)。

図01 Windows 95の終了ダイアログ。項目名に「ログオン」という単語が確認できる

Windows 8においては、従来のログオン/ログオフではなく、サインイン/サインアウトという呼称に切り替わっている。これは、Microsoftアカウントを用いたシングルサインオンを用いているからだろう。また、MicrosoftアカウントでサインインしたWindows 8マシン同士の設定を共有し、同社のオンラインストレージであるSkyDriveによる、ストレージスペースの拡張などクラウドコンピューティングを意識し、改称に至ったと推測する(図02~03)。

図02 Windows 8へサインインするには、ユーザーアカウントを選択し、任意のサインインオプションを選択してサインインを実行する

図03 Windows 8からサインアウトするには、スタート画面にあるユーザーアイコンをクリックし、現れたメニューから<サインアウト>を選択する

なお、Windows 8をデスクトップ/ノート型コンピューター向けOSとして使用する場合、ショートカットキーを併用すると使いやすい。サインアウトに関しては、デスクトップがアクティブな状態で[Alt]+[F4]キーを押すと、「Windowsのシャットダウン」ダイアログが起動し、ドロップダウンリストからサインアウトを含んだ電源操作などが行える。ただし、同ショートカットキーは終了を実行するため、デスクトップアプリがアクティブな状態では、そのアプリケーションに終了を通知してしまうため、実行タイミングには注意を払わなければならない(図04)。

図04 デスクトップがアクティブな状態で[Alt]+[F4]キーを押すと、従来のWindows OSと同じく「Windowsのシャットダウン」ダイアログが起動し、サインアウトなどの操作を直接実行できる

阿久津良和(Cactus