Windows 8キーワード 「チャーム(Charm)

我々日本人には直感的に理解できない単語が用いられることが多いコンピューターの世界。新たに登場するWindows 8を踏まえつつ、Windows OSで用いられる単語(=キーワード)を個別にピックアップし、詳細な解説をお送りする。今回はWindows 8のアプリケーション起動を担うスタート画面。



「スタート画面(Start Screen)」

「スタート画面(Start Screen)」

Windows 8におけるアプリケーションの起動を実行するための画面である。多くの読者がご存じのとおり、以前のWindows OSでは、デスクトップ下部に並ぶタスクバーの左側にあるボタンを「スタートボタン」と称し、各アプリケーションやフォルダーなどを呼び出す「スタートメニュー」を用意していた。最初にスタートボタンを導入したのは、Windows 95。それまでのWindows OSにあったアプリケーションを管理する「プログラムマネージャ」と、ファイルやフォルダーの操作を行う「ファイルマネージャ」を統合した「エクスプローラー」によって実現した機能である。

蛇足だが、Windows 95が開発コード名である「Chicago(シカゴ)」と呼ばれていた頃、スタートボタンは存在しなかった。システム/検索/ヘルプという三つのボタンが並び、システムボタンをクリックするとコマンドを実行する<Run>、タスクを表示する<Task List>、ウィンドウやアイコンの配置を整理するいくつかの項目が並んでいる程度である。ここに他のボタンが加わり、見慣れたスタートメニューへと進化したのだ。Windows 95が登場した1995年からWindows 8が登場する2012年までの17年間使い続けられたスタートボタン/メニューは、Windows 8では採用されず、スタート画面がその役割を担っている(図01~02)。

図01 Windows 95のスタートボタン/メニュー。形を変え、Windows 7まで採用された

図02 Windows 8から加わった**スタート画面**。ここから各アプリケーションを起動する

スタート画面には、「Windowsストアアプリ」や「デスクトップアプリ」を起動するための「タイル」が並び、Windows 8の設定や検索を行うにはチャームを使用しなければならない。実行ファイルやショートカットファイルのコンテキストメニューには、<スタートにピン留め>という項目が新たに用意され、文字どおりスタート画面にタイルとしてピン留めする機能が備わった。なお、従来のスタートメニューを復活させるオンラインソフトとして、「Classic Shell」や「秀丸スタートメニュー」なども存在する。

阿久津良和(Cactus