我々には直感的に理解できない単語が用いられることが多いコンピューターの世界。新たに登場するWindows 8を踏まえつつ、Windows OSで用いられる単語(=キーワード)を個別にピックアップし、詳細な解説をお送りする。今回取り上げるキーワードは、Windows 8の根幹をなす「カーネル」だ。
Windows 8キーワード一覧
「プライベートネットワーク」とは
「レジストリ」とは
「ピン留め」「ジャンプリスト」とは
「デスクトップ」とは
「タスクバー」とは
「エクスプローラー」とは
「Windowsストアアプリ(Windows Store app)」「デスクトップアプリ(Desktop app)」とは
「チャーム(Charm)」とは
「スタート画面(Start Screen)」とは
「タイル/ライブタイル(Tile/Live Tile)」とは
「アプリバー(App Bar)/ナビゲーションバー(Navigation Bar)」とは
「カーネル(Kernel)」
OSの中核に位置し、ハードウェアとWindows 8をつなぐコンポーネントの一種。基本的にはハードウェアの抽象化やプロセス、システムリソースの管理も行っている。カーネルはすべてのOSが備えるコアコンポーネントだが、Windows 8の場合、ハードウェアの抽象化はHAL(Hardware Abstract Layer)と呼ばれる抽象化レイヤーが役割を担っている。
Windows 8のカーネルは、「ntoskrnl.exe」というシステムファイルに実装したAPI(Application Programming Interface:簡潔にプログラムを記述するためのインターフェース)で構成されており、前述したハードウェアの抽象化を実現している。なお、Windows 8も以前のWindows OSと同様に、アプリケーションが重要なデータへアクセスすることを阻止するため、カーネルモードとユーザーモードというプロセスアクセスモードを使用。一般的なアプリケーションやWindows 8の機能はユーザーモード上で動作し、すべてのシステムメモリとプロセッサの命令を使用可能なカーネルモード上では、デバイスドライバーなどが動作する(図01~02)。
蛇足だが、Windows 2000以前のWindows 95などで使用されていた16ビットカーネルは破棄され、1993年(日本は1994年)にリリースしたWindows NT 3.1が実装したNT系カーネルは、改良に次ぐ改良を重ね、現在のWindows 8に連なっている。また、クライアント向けOSであるWindows 8とサーバーOSであるWindows Server 2012は同一のカーネルを採用。サーバーとクライアントという異なる役割を担うことから「ハイブリッドカーネル」と称されることもある。
阿久津良和(Cactus)