電車の乗り換え案内も、徒歩ナビもOK

iOS 6ユーザが地図アプリに期待していたことは、信頼性の高い地図データが提供されることが筆頭として、次点に挙げられるのは「街中で使えるナビ機能」ではないだろうか。

「Google Maps」は、この点でも期待に応えてくれた。ナビ機能は自動車・電車・徒歩の3種類で、電車は地下鉄やJRなど各路線の乗り換えも考慮されている。複数の経路がある浜松町・横浜間で試してみたが、京浜急行やJR京浜東北線など、4種類の乗り換えパターンを提示してくれた。徒歩ナビについても、実際に浜松町駅から徒歩約10分のビルまでを試してみたが、途中で横断歩道を渡るなど細かい指示を出してくれたため、迷うことはなかった。

iOS 5までの「マップ」と大きく変わった点は、店舗や施設の詳細な情報を参照できる「Google ローカル検索」に対応したことだろう。たとえば、「居酒屋」や「イタリアン」などと検索すれば、現在地付近の該当店をピンで表示してくれる。表示する店舗を切り替える場合は、ピンのタップだけでなく、画面下に表示された店名部分を左右へフリックすればいい。この店名部分を上方向へフリックすれば、店舗の詳細情報が現れる、という仕掛けだ。

電車での乗り換え案内に対応、運賃の計算までしてくれる

画面下のエリアを上方向へフリックすると、乗り換えの詳細を確認できる。左右へフリックすると、他の経路を表示できる

徒歩ナビを利用したところ、道幅8m程度の横断歩道を渡ることまでしっかり案内してくれた

「Google ローカル検索」に対応、レストランなどの店舗や施設の詳細な情報を参照できる

Android版へのキャッチアップはなるか?

基本的にはAndroid版に追いついた印象のiOS版Google Mapだが、未実装の機能も残る。たとえば、主要駅やデパートなどの建物内部を閲覧できる「インドアマップ」は表示されない(iOSでもWebアプリのGoogle Mapsでは表示可能)。

iPadにネイティブ対応しないことも惜しまれる。iPadにもインストールは可能でiPhoneと同様に利用できるが、コンパチブルモードとしての動作であり、2倍表示するとせっかくのベクターベースの描画も滑らかさを損ねてしまうからだ。

なお、iOS 6では「マップ」がデフォルトの地図アプリであり、ユーザがこれを変えることはできない。「Google Maps」もサードパーティー製アプリであることに変わりはなく、メールに記載した住所をタップして起動、といった使い方は現状不可能だ(WebページのリンクからWebアプリ版Google Mapsを起動することは可能)。もっとも、Googleは開発者向けに「Google Maps SDK for iOS」の提供を開始したため、この機能およびデータを利用するサードパーティー製アプリが登場する可能性もでてきた。iOSデバイスユーザにとって、今後も期待度大のプロダクトであることは確かだ。

手前のデパート(銀座三越)はインドアマップに対応しているはずだが、現在のところiOS版Google Mapsでは店内を表示できない

iPad miniで起動したところ。iPadにはネイティブ対応しないため、大きな画面で使うには2倍表示するしかない