機能比較その1:表示性能比較

まずはWebページの表示性能から確認していこう。

かつてInternet Exploror(以下IE)が圧倒的なシェアを誇った時代は、IEで表示できればよいというWebページが多く、他のブラウザではレイアウトが崩れてしまうサイトも少なくなかった。しかし最近ではWeb標準(Webを記述するための世界的基準)を重視する傾向で、どのブラウザでもレイアウトが崩れるということはほぼなくなっており、レイアウトが崩れたサイトを探す方が大変なくらいだ。

各ブラウザはWeb標準にどこまで準拠しているかを調べるテストであるAcid2、Acid3をパスしている。最近はブラウザが表示速度の速さを競う傾向にあり、ハードウェアを直接利用して高速化するハードウェアアクセラレーションやWebページのプリロード機能、JavaScriptエンジンの高速化なども採用されている。

Web標準の準拠レベルをテストするAcid3サイト、The Acid3 Test。今回紹介している3つのブラウザは、いずれもこのテストで100点満点を取っている

  • 【結果】 表示性能に大きな差はなく、レイアウトが崩れるサイトを探すのが大変なほどだ。

機能比較その2:基本機能と独自機能

それぞれのWebブラウザの基本機能も、大きな差はないと言っていいだろう。これは、それぞれのブラウザがモダンなWebブラウザのトレンドやセキュリティ機能を取り入れた結果、よく似たものになったということ。例えば、1画面に複数のタブを開いて利用することができるタブ機能やブックマークにワンクリックでアクセスできるブックマークバー、履歴やフォーム入力、ダウンロードの記録を残さないプライベートモード(シークレットモード)といった機能は、今ではどのブラウザも備えるようになっている。

とはいえ、現時点でも、あるブラウザには搭載されているが他のブラウザには(まだ)導入されていない機能がないではない。現時点での各ブラウザの機能比較として、それぞれにどのような特徴があるかをみてみよう。

「後で読む」リーディングリストが使えるSafari

Safariには「リーディングリスト」と呼ばれる機能が付いている。これは、今見ているWebページをあとで読みたいときなどに、ブックマークに登録せず一時的に保存しておくことができる機能だ。保存したページは未読のもののみ、あるいはすべてのページを分けて表示できるので、登録したページが更新された場合のみ表示させることも可能。またWebページのコンテンツをリーディングリストに保存することになるため、オフラインでも記事の続きを読むことができる。

さらにこの情報はiCloudを通じて共有できるため、他のMacやiPhone/iPadでも利用できる。自宅で見ていたWebページをリーディングリストに登録しておき、外出先でiPhoneから続きを読む……といった使い方が便利だ。

ツールバーの共有ボタンをクリックして「リーディングリストに追加」を選択すると、閲覧中のページがリーディングリストに追加される

ブックマークバーにある、メガネのアイコンのボタンをクリックすると、サイドバーが開かれてリーディングリストが表示される。リストの項目をクリックして選択すれば、登録してあるページを読むことができる

Googleアカウントとの連携が簡単なChrome

Chromeそのものは非常にシンプルで、他のブラウザのような独自機能と呼ぶべきものはない。ただGoogle独自のJavaScriptエンジン V8を搭載おり、タブごとに表示されたWebページが独立して動くサンドボックス化によって、表示したWebページに問題があってもブラウザのアプリケーションそのものには影響を及ぼさなくするといったことができる。

またGoogleアカウントでログインすることで、Googleのサービスを利用しやすいのもポイントだ。例えばGmailはGoogleの基本ページにあるメニューからクリックするだけで、自分のGmailのメールボックスを利用できる。

Googleページから[ログイン]ボタンでログインするか、メニューバーから[Chrome]→[Chromeにログイン]を選択してログイン

Chromeにログインすることで、Gmailやその他のGoogleサービスが個別にログインすることなく利用でき、同期もできるようになる

カスタマイズにおいては一日の長があるFirefox

FireFoxの最大の特徴はカスタマイズの豊富さだろう。アドオンと呼ばれるプラグイン機能の他に、ペルソナと呼ばれるテーマ機能を使ってワンクリックで見た目を変更したり、ツールボタンのサイズを変更したりすることができる。

またタブ表示はパノラマというタブグループ機能を使って整理が可能。ひとつのウインドウでたくさんのWebページを効率的に扱うことができる。

8,000以上あるアドオンを使って機能を拡張できる。インストールもクリックひとつでOKだ

ペルソナと呼ばれるテーマを使えばブラウザの見かけも変更可能。自分独自のブラウザを作ることができる

  • 【結果】 いろいろな機能を取り込んでおり、単体でも使いやすいのがSafari。Googleのヘビーユーザーなら、各サービスを利用しやすいChrome。自分独自のブラウザを作りたいならFireFoxがオススメだ。
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