遠心試験

G-SHOCK・スカイコックピットシリーズの品質確認において不可欠なのが、遠心試験だ。ここでは、定常加速度試験規格(ISO 2669)において、航空機用機器に求められる最高等級(15Gまでの遠心重力)下で試験を行っている。

レコードのターンテーブルのような遠心試験機

レコードのターンテーブルのような装置の中心には、カシオのデジタルカメラ「EXILIM」、ふちの部分にはG-SHOCKの「GW-4000」が固定されている。装置の風防を下げてスイッチを入れると、ターンテーブルが勢いよく回転を始めた。

と同時に、GW-4000には横回転に伴う遠心重力がかかるのだ。なお、このときの針の動きをEXILIMが動画で撮影しているので、これを調べることで正常に動作しているかどうかが分かる。

小山氏「試験では針を1周回転させます。不良個体の場合は針が文字板に張り付いてしまったり、針が外れてしまうといったケースも考えられます。この試験に耐えられるのは『TRIPLE G RESIST』の設計あればこそですね。一般の時計では、まず耐えられないでしょう」

遠心試験機に取り付けられている映像記録用カメラは、当然「EXILIM」(写真左)。マニュアルフォーカスでしっかりとピントを合わせる(写真右)。動画撮影ボタンをオンにしてから実験を開始

―― GW-4000はともかく、撮影用のEXILIMが遠心力に耐えられなくなって壊れてしまう、ということはないんですか?

小山氏「EXILIMは高速回転こそしていますが、回転の中心なので、遠心力はほとんど気にしなくていいんですよ」

なるほど。ちなみに今回、このEXILIMが実際に撮影した動画もご提供いただくことができたので、ぜひご覧いただきたい。

音声が流れますのでご注意ください

防水試験

10気圧、20気圧を再現するには、本来なら100m、200mの水深を確保しなければならないが、それは現実的に難しい。そこで、水中で加圧できる装置を使用して試験を行う。

水が張られた装置にG-SHOCKを沈め、スイッチを入れると、水中に金属製の半筒状のフタが現れて時計をすっぽりと覆う。このフタの中を加圧するのだが、加える圧力はモデルのスペック(耐水圧性能)ごとに異なる。

防水試験装置で、時計にかける水圧を設定しているところ

試験する時計を水中に沈める(写真左)。この後、金属製のカバーが時計を覆い、内部が加圧される。試験後に水中から取り出したGW-5600。浸水の形跡なし!(写真右)

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