ソニー・コンピュータエンタテインメントジャパン(SCEJ)は19日、東京・品川インターシティにて、国内のプレイステーションビジネスにおける販売戦略発表会「SCEJ Press Conference」を開催し、新型プレイステーション3(以下PS3)やPS Vitaに関する新情報が続々と明らかとなった。

新型PS3と、PS Vitaの新色をアピールするSCEJの取締役河野弘氏(写真左)と、SCEの代表取締役社長兼グループCEO、アンドリュー・ハウス氏

この時期に毎年行われている「SCEJ Press Conference」だが、今回の発表で一番注目を集めたのは、新型PS3。新型PS3では新たなデザインを採用し、初期モデルより50%以上の小型化・軽量化を、現行機では25%の小型化、20%の軽量化を実現。消費電力も現行機の200Wから190Wに抑えられている。また、ハードディスクは320GBモデルが500GBに(価格29,980円)、160GBモデルが250GB(価格24,980円)に増量し、価格は据え置きとなる。カラーバリエーションは、チャコールブラック(500GBモデル・250GBモデル)とクラシック・ホワイトを用意し、チャコールブラックは10月4日に、クラシック・ホワイトは11月22日より販売スタートとなる。

また、シリーズ15周年となる同社の人気タイトル『みんなのGOLF 6』と、新型PS3 250GBモデルをセットにした「PlayStaiton 3 スターターパック」(価格は25,980円)も、11月22日発売されることが決定した。(『みんなのGOLF 6』単体は12月17日発売。価格はVitaカード版が4,980円)。

カンファレンスのプレゼンテーション資料

新型PS3のデザイン。本体にはスライド式のディスクカバーを採用。PS3の特徴である曲面を生かしたフォルムで、シンプルなデザインに仕上げている

さらに、PlayStation Vitaのカラーバリエーション2色(コズミック・レッド/サファイア・ブルー)も新登場する。価格はいずれも3Gモデルが29,980円で、Wi-Fiモデルが24,980円と現行どおり。そのほか、PSP(PSP-3000)シリーズ全4色(ピアノ・ブラック/バイブラント・ブルー/ラディアント・レッド/ブロッサム・ピンク)の価格も改定され、新価格は13,800円(バリューパックは14,800円)で9月20日より発売される。

PlayStation Vitaの新色、コズミック・レッドとサファイア・ブルー

価格改定されさらにお得になったPSPシリーズ

また、今回のカンファレンスでは主要メーカーから以下の新タイトルも発表されている。

・COD ブラックオプス ディクラシファイド(スクウェア・エニックス/12月発売/Vita)
・討鬼伝(TOUKIDEN)(コーエーテクモゲームス/2013年発売/Vita、PSP)
・ソウル・サクリファイス(SCE/2013年春発売/Vita)
・ヴァルハラナイツ3(マーベラス/2013年初頭発売/Vita)
・閃乱カグラ SHINOVI VERSUS -少女たちの証明-(マーベラス/2013年2月28日発売/Vita)
・朧村正(マーベラス/2013年3月28日発売/Vita)
・ガンダムブレイカー(バンダイナムコゲームス/12月発売/PS3、Vita)

まず、SCEが発表した『ソウル・サクリファイス』は最大4人までのマルチプレイ対戦も楽しめる大注目のアクションゲーム。登壇した開発元のcomcept代表取締役/コンセプター稲船敬二氏は「TGS 2012では4人でのマルチプレイ対戦が楽しめます。僕たちが表現したかった真のファンタジーを体験してください」と作品をアピール。また、マーベラスAQLは『ヴァルハラナイツ3』『閃乱カグラ SHINOVI VERSUS -少女たちの証明-』『朧村正』の3タイトルを発表。デジタルコンテンツ事業部CCO、はしもとよしふみ氏は、「『ヴァルハラナイツ3』はグラフィックの向上はもちろん、男性が喜ぶような"大人の空間"も用意しているのでお楽しみに」と述べた。

発売日が伸びてしまったが、今冬に体験版の配信が決定した『ソウル・サクリファイス』

3タイトルを発表したマーベラスAQL

そして、コーエーテクモゲームスが発表した『討鬼伝』は、無双シリーズとは異なる完全新作タイトル。強大な異形の敵「鬼」を討つことをコンセプトに、激しいバトルを繰り広げるアクションゲームとなる。また、登壇した鯉沼久史氏によれば、"和"を舞台とした世界観と独自アクションによる爽快感、そしてPS VitaとPSPとのマルチプラットフォーム対戦を実現しているという。また、スクウェア・エニックスからは、人気FPS『コール オブ デューティ』シリーズの新作『コール オブ デューティ ブラックオプス ディクラシファイド』が発表された。こちらは、PS VitaならではのWi-Fiを利用したマルチプレイやCo-op(協力プレイ)といった機能が盛り込まれる。

迫力満点の映像で来場者の度肝を抜いた『討鬼伝』

PS Vitaで新たな戦いの火ぶたが切られる『コール オブ デューティ ブラックオプス ディクラシファイド』

そして、バンダイナムコゲームスが発表したガンダムの最新作『ガンダムブレイカー』。こちらは"ガンプラ"をモチーフにしたアクションゲームで、「破壊」をテーマに、戦闘時に攻撃を受けた箇所、例えば腕や頭部が吹き飛んでいくといったド派手な仕掛けを用意している。さらに、ユニークな点は本作の戦場が"ジオラマ"だということ。カンファレンスではダイバーシティ東京前で、1/144スケールと1/60スケールのガンダムが戦う映像も流れ、大きな歓声があがっていた。

最後にSCEJのプレジデント河野弘氏は「PS Vitaが目指すのは、究極のポータブルエンタテインメント。PS Vitaの持つ大きな可能性を最大化させ、長く愛されるプラットフォームにすることがゲーム業界活性化につながると信じている。今後もクリエイターの皆さまと一緒にPS Vitaを盛り上げていきたい」と、PS Vitaにかける意気込みを語るとともに、明日から開催される「東京ゲームショウ2012」でのプレイステーション・ブースも大きな盛り上がりを見せることを約束した。