2012年10月4日にPS3/Xbox 360で発売が予定されているカプコンのサバイバルホラーアクション『バイオハザード6』。2009年に発売された『バイオハザード5』から早3年、その間にも『バイオハザード オペレーション・ラクーンシティ』や『バイオハザード ザ・マーセナリーズ 3D』など番外編ともいえるゲームは登場していたが、ついに待望のナンバリングタイトルである。今回は、その体験版についてレビューしていきたい。

本作は、『バイオハザード2』の主人公でもおなじみの「レオン編」、初代バイオハザードの主人公「クリス編」、そして新たな主人公「ジェイク編」と立場の異なる3人の視点でストーリーが展開される。今回から計3回に分けて、それぞれのストーリーを紹介しよう。第1回は「レオン編」である。

舞台となるのは、『バイオハザード2』のメインストーリーといえるラクーンシティの事件から十数年後となる2013年、アメリカのトールオークス(Tall Oaks)。なおも続くバイオテロに歯止めをかけるべく、合衆国大統領は「ラクーン事件の真相」の公表を決意する。だが、講演の当日、会場で大規模なバイオテロが発生、大統領の友人として、そしてラクーン事件の証人として講演に参加していた大統領直轄エージェントの「レオン・S・ケネディ」(主人公)は、ウィルスによってゾンビ化した大統領と対面。女性に襲いかかろうと手を伸ばす大統領をレオンは仕方なく射殺する。横たわる大統領の亡骸を苦悶の表情で見つめるレオンだが、助けた女性は「私がやったの」とバイオテロの原因が自分にあること告白。この女性は、レオンと同じ合衆国エージェント「ヘレナ・ハーパー」だった。レオンとヘレナは大統領暗殺の容疑をかけられながらも、先に進むことを決意する……。

『バイオハザード6』で、まずポイントとなる大きな変化はゲームシステムだ。例えば、初期のバイオハザードは固定カメラと体を回転させ、進む方向を決めて移動する一部にラジコン式とも言われる操作方法を採用していた。場所によって変化するカメラ位置によって、映画的な演出を実現していたのが大きな特徴といえる。『バイオハザード4』および『5』では、常に主人公の背後からカメラが追うビハインドカメラに変化。FPSやTPSに近い表示方法となったものの移動しながらの銃撃はできないと、過去作品での操作方法のなごりもあった。

しかし、『バイオハザード6』では、移動しながらの銃撃も可能と、2012年の4月に発売された『バイオハザード オペレーション・ラクーンシティ』と近いスタイルとなった。『バイオハザード5』ではホラー色が薄れ、アクションゲーム色が強くなったと感じており、今作もその流れでより銃撃戦に特化した内容かと思いきや、レオン編では初代バイオハザードを彷彿とさせる演出を取り入れ、ちょっと先に進むのもドキドキするホラー映画のテイストが強くなっている。

体験版のレオン編は、じっくりプレイしても20分程度。大統領が講演するはずだった大学の地下に移動するまでプレイできる。なお、レオン編では、レオンと相棒になるヘレナ、2人から操作するキャラクターを選ぶことになるが、今回の体験版では どちらでも内容に大きな変化はない。さて、その内容だが、薄暗い通路、何かいるのではないかと思わせぶりなトビラの数々、プレイしていて自然と初代バイオハザードを思い出した。わずかなプレイ時間ではあったが、初代『バイオハザード』のような恐怖を感じさせる演出、『バイオハザード2』より続く街を巻き込んだ大規模な事件、『バイオハザード4』より採用されたビハインドビュー、『バイオハザード5』で特徴的だった相棒との連携、『バイオハザード オペレーション・ラクーンシティ』でのリアルな銃撃戦が盛り込まれており、まさにシリーズの集大成といえる。事件はどうなっていくのか、発売が非常に楽しみだ。

ちなみに、レオンの見た目にも注目しておきたい。バイオハザード2では新米警官でいかにも若造な雰囲気を持っていたが、それから十数年後。おそらく30代中盤のレオンは非常に渋い。リバーフェニックスが生きていたら、こういう雰囲気なのではと思わせるイケメンぶり。カッコよくなりすぎだろとツッコミをいれたくなるほどだ。さて、次回はクリス編について紹介していく。こちらの風貌も楽しみだ。

『バイオハザード6』の体験版は、PS3/Xbox 360のオープンワールドアクション『ドラゴンズドグマ』の数量限定特典として付属。専用のコードを入力することでダウンロードできる仕様となっている。Xbox 360版は7月3日よりダウンロードを開始。PS3版については9月4日より開始予定だ。

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