米Appleの2012年度第3四半期(2012年4月-6月)決算は、iPadとiPhoneが好調を維持し、大幅な増収増益となった。しかし世界景気の減速に起因する消費鈍化の影響がMacにも及び、Macの販売台数が2%増にとどまった。

6月期の売上高は350億2300万ドルで、前年同期比23%増、前期比11%減。このうち米国以外の割合は62%だった。純利益は88億2400万ドル(希薄化後の1株あたり9.32ドル)。前年同期は73億800万ドル(同7.79ドル)だった。粗利益率は42.8%。

4-6月にAppleは、6月にMacBookの製品ラインアップを刷新、MacBook Pro Retinaディスプレイモデルを発売した。またアジアの9カ国でiTunes Storeをオープンさせた。

Macの販売台数は402万台で、前年同期比2%増、前期から横ばい。Gartnerが発表した2012年4-6月期の世界パソコン出荷台数は0.1%減。パソコン市場全体をMacは上回っているものの、ここ数四半期に見られた伸びが影を潜めた。地域別では日本が15%増だったが、アメリカスと欧州が2%増、アジア太平洋地域が4%減と、世界景気の減速の影響があられている。ただし販売台数2%増に対して、売上高が23%の伸びだった。プロフェッショナル向けのRetinaディスプレイモデルの投入によって、Macの平均販売価格が上昇した模様だ。

Macの平均販売価格を押し上げたMacBook Pro Retinaディスプレイモデル

iPhoneの販売台数は2602万8000台で、前年同期比28%増。小規模の通信キャリアがiPhoneの取り扱いを開始し、キャリアパートナーは250社を超えている。iPadの販売台数は1704万2000台で同84%増。米国では学校・教育機関においてMacの2倍以上のiPadが売れた。iPodは675万1000台で同10%減。

小売ストアの売上高は、iTunes Storeが18億ドル、Appleリテールストアが41億ドル (前年同期比17%増)だった。6月末時点のリテールストア数は372店。

2012年度第4四半期(2012年7月-9月)についてCFOのPeter Oppenheimer氏は、売上高340億ドル、希釈化後1株当たり7.65ドルの利益を予測している。