中国・上海で開催された「Mobile Asia Expo 2012」。昨年まで開催された香港での「Mobile Asia Congress」に比べると出展者数も拡大しており、活気のあるイベントだった。しかし、会場は「上海新国際博覧中心(エキスポセンター)」の北館の2ホールのみ。広大な会場ではあるのだが、その中でも空きスペースが目立つなど、まだまだ発展途上のイベントという印象。とは言うものの、香港時代に比べ、力の入った展示も多く、来場者数も増加しているようだ。次回以降の拡大が期待できるイベントと言えるだろう。

今回の展示では、お膝元中国のベンダーであるHuawei、ZTEが多数の新製品を紹介していた。Huaweiブースに展示してあったのは、Androidスマートフォンの上位機種「Ascend P1」。日本ではイー・モバイルの「GS03」として発売される端末だ。

Huaweiのブース

Ascend P1

Androidタブレットとしては、1920×1200ドットのIPS液晶を採用し、1.2GHz駆動のクアッドコアプロセッサ「K3 Cortex A9」を搭載した「MediaPad 10 FHD」を展示。こちらもイー・モバイルブランドの「GT01」のベースとなっているモデルだが、LTEを含めた通信回線を内蔵している点が異なる。厚さ8.8mm、重量590gと薄型軽量なハイスペックタブレットとなっている。

MediaPad 10 FHD

そのほかにも、LTEをサポートした「Ascend P1 lte」、CDMA2000 1xに対応した「Ascend G 303C」を始め、日本でもおなじみの端末も展示されていた。ハイエンドからミドルレンジ、ローエンドまで幅広いラインナップをアピールしていた。

Ascend P1 lte

Ascend G 303C

ミドルレンジからローエンドの「Honor」(左)や「Ascend Y 100」

日本ではイー・モバイルの「Pocket WiFi LTE GL01P」としても知られるモバイル無線LANルーター「Mobile WiFi E589」

ドコモの「キッズケータイ HW-02C」はそのままの展示

ZTEブースでは、新製品のスマートフォンやタブレット、さまざまなソリューションが展示されていた。Androidスマートフォンでは、LTEに対応した「Grand X LTE(T82)」を出展。アプリケーションとベースバンドの両チップを1チップ化した1.5GHzデュアルコアのMSM8960を搭載したモデルだ。展示品はFDD-LTEに対応するが、TD-LTEにも対応するという。

ZTEブース

Grand X LTE(T82)

本体サイズは131×65×11.2mm、ディスプレイは4.3インチQHD(960×560)で、720pの動画撮影が可能な800万画素カメラを搭載する。8月には香港、10月には豪州で発売予定だという。

タブレットとしては、FDD-LTEに対応した「V96A」を出展。10インチ1,280×800ドットの液晶を搭載しており、OSにはAndroid 4.0を採用。本体サイズは257×175.5×9.8mmで、6,900mAhの大容量バッテリを搭載する。こちらもTD-LTEにも対応できるという。

V96A

ほかにも、Windows Phone 7.5を搭載した「V965W」、中国市場向けのTD-SCDMAを搭載したタブレット「T98」などの端末を出展していた。

V965W

T98

また、2.4GHz帯の無線を用いたモバイルペイメントソリューションも展示していた。スマートフォンの「Acqua」を用いて、リーダーにスマートフォンを近づけると支払いが行えるようになっている。ただ、別ブースのモバイルペイメントソリューションの説明員は、2.4GHz帯を使うため、電波が飛びすぎるという欠点があると指摘しており、実際に「反応が良すぎる」という印象はあった。いずれにしても、中国市場でもモバイルペイメントへの注目が高まっているのは確かなようだ。

モバイルペイメントのソリューション。2.4GHz帯の無線を使う

(記事提供: AndroWire編集部)