Dropbox連携機能の使い方はとても簡単だ。LAN DISKでDropbox連携に設定した共有フォルダにデータを保存すれば、LAN DISK側で自動的にDropboxと同期してくれる。ユーザーから見れば、PCのDropbox専用フォルダにデータを保存するか、LAN DISKの同期/共有フォルダにデータを置くかの違いだ。PCを基準に考えると、データをPCからLAN DISKに保存しても、PCのDropbox専用フォルダに保存しても、PCとLAN DISKとDropboxの3者で自動的に同期される。

LAN DISKおよびPCのDropbox専用フォルダと(写真上)、クラウド上のDropbox領域(写真下)。データがきちんと同期されている

今回試用したLAN DISK(HDL-XRシリーズ)は企業向けということで、NASだけでDropbox連携できることで便利に使えるケースはいろいろある。当然だが、同期したデータはモバイル用途のPC、スマートフォンやタブレットデバイスからアクセス可能だ。離れた場所に複数の拠点を持つ場合なども、データを共有/同期する環境を手軽に整えられる。これでデータの持ち運びにUSBメモリを使わないようすれば、USBメモリの紛失や盗難によるデータ漏洩/消失を防げるという利点もある。

iPhone用Dropboxの設定画面。写真や動画をアップロードするときの品質や、ローカルに保存できるサイズなどの設定がある(写真左)。Dropboxの領域を表示したところ(写真右)

1台のLAN DISKで、複数の「Dropboxアカウントと共有フォルダ」の組み合わせを運用できる点も魅力的だろう。セクションごと、取引先ごとなど、共有/同期するデータとアクセス可能なメンバーを簡単に設定できる。仕事のデータをDropboxで共有することには抵抗を感じる場合もあるかもしれないが、自社サーバーや外部ホスティングサービスなどで共有システムを構築するより手間がかからない(ただし、同期/共有データの選別、アクセス可能なユーザーなどをきちんと管理することは必須)。

また、無料で利用できるDropboxの基本容量は2GBだが、比較的容量が小さく、重要なファイルのバックアップ用途としても有用だ。Dropboxでは、ファイルを削除しても履歴が残っており、ロールバックが可能。間違ってファイルを消してしまっても、1ヶ月分の履歴を保存している。実際に使ってみると、この安心感はかなりありがたい。

コンシューマ向けNAS製品への展開にも期待

今や、大容量のストレージを持ち歩くことなく、クラウドサービスを利用するのは半ば当たり前になりつつある。そうした使い方をする上でも、使い方が簡単なDropboxとNASとの連携は相性がいい。コンシューマ向けのNAS製品にDropbox連携機能が実装されれば、さまざまなデータをNAS上にまとめておけるというメリットも生まれる。Dropbox以外のクラウドストレージサービス、例えばSugarSyncなどにも対応してもらえると非常に嬉しいので、今後の展開に期待したい。


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