2月9日から12日に神奈川県のパシフィコ横浜で開催された「CP+2012」には、レンズメーカー各社も出展。PC+開幕の直前に発表された新しいレンズも注目を集めていた。

レンズメーカーのブースでは、現在発売されているレンズの展示はもちろん、実際に触れるコーナーも用意。発売済みの多くのレンズは、来場者が持参したカメラに取り付けて、実際に撮影することも可能だった。新しく発表されたレンズは、ほとんどがガラスケースにモックアップが展示されていたのみだが、一部は手に取って使用できるものもあった。

タムロン

タムロンのブースでは新製品の紹介に多くの人が

タムロンでは、35mm判フルサイズの撮像素子を搭載したデジタル一眼レフカメラに対応する「SP 24-70mm F/2.8 Di VC USD(Model A007)」のモックアップを参考展示。超音波モーターと手ぶれ補正機構を搭載している。24~70mm/F2.8のレンズとして、手ぶれ補正機構が搭載されたモデルは世界初とのことだ。キヤノン用、ニコン用、ソニー用が発売される予定だが、価格や発売日は未定である。

「SP 24-70mm F/2.8 Di VC USD(Model A007)」はモックアップが展示されているだけで、触れることはできない。「VC」と書かれたスイッチが手ぶれ補正機構だ(写真右)

シグマ

シグマのブースはカメラとレンズを実際に触れるスペースが中心

シグマのデジタルカメラ本体、「SIGMA SD1 Merrill」、「SIGMA DP1 Merrill」や「SIGMA DP2 Merrill」については、別記事のレポート「発表されたばかりの「SD1」後継機の「SD1 Merrill」が人気 - シグマ」を参照いただきたい。

新作のレンズは、ミラーレス一眼用に発表された「SIGMA 19mm F2.8 EX DN」と、「SIGMA 30mm F2.8 EX DN」を展示。前者のSIGMA 19mm F2.8 EX DNは、マイクロフォーサーズで38mm相当、ソニーのEマウントで28.5mm相当という広角レンズの焦点距離となる。一方のSIGMA 30mm F2.8 EX DNは、マイクロフォーサーズで60mm相当、ソニーのEマウントで45mm相当と、ほぼ"標準レンズ"といえる焦点距離だ。この2本のレンズは、先日発表された「Foveon X3ダイレクトイメージセンサー」を搭載するコンパクトデジタルカメラ「SIGMA DP1 Merrill」、および「SIGMA DP2 Merrill」と、光学系が同じ設計とのこと。

左が「SIGMA 19mm F2.8 EX DN」、右が「SIGMA 30mm F2.8 EX DN」

「SIGMA 30mm F2.8 EX DN」と「SIGMA 19mm F2.8 EX DN」をカメラの取り付けたところ。実際に操作してみることができた

APS-Cサイズまでのデジタル一眼レフ用の大口径望遠ズームレンズ「SIGMA APO 50-150mm F2.8 EX DC OS HSM」は、4段分の手ぶれ補正機構と超音波モーターを搭載した製品。また、35mmフルサイズに対応した望遠マクロ「SIGMA APO MACRO 180mm F2.8 EX DG OS HSM」も展示されていた。等倍までのマクロ撮影に対応しており、手ぶれ補正機構は4段分とのことだ。

「SIGMA APO MACRO 180mm F2.8 EX DG OS HSM」と「SIGMA APO 50-150mm F2.8 EX DC OS HSM」

「SIGMA APO 50-150mm F2.8 EX DC OS HSM」のシグママウントをカメラに取り付けてフードを付けた状態(写真左)。手ぶれ補正機構は2モードあるようだ(写真右)

「SIGMA APO MACRO 180mm F2.8 EX DG OS HSM」をキヤノンマウントに取り付けた状態(写真左)と、レンズのスイッチ類(写真右)

トキナー

トキナーのブースは系列会社のケンコーと併設

トキナーは、同社初となる手ぶれ補正機構を搭載した望遠ズームレンズを参考出展。製品名も未発表だが、展示品には「AT-X 70-200 PRO FX VC」とあり、70~200mm/F4のレンズであるようだ。2012年8月~9月頃の発売を目指して開発中とのこと。

トキナー初となる手ぶれ補正機構を搭載した望遠ズーム

手ぶれ補正機構の「VCM」というスイッチが見える

マイクロフォーサーズマウントに対応した300mm望遠レンズも展示されており、こちらは手に取ってみることもできた。焦点距離300mmで絞り値がF6.3固定のミラーレンズである。ミラーレンズの特性上、絞り値は固定でマニュアルフォーカスとなるが、焦点距離600mm相当でありながら全長66mm/質量300g未満とコンパクトになっている。

他マウントへの対応予定は現在ないそうで、マイクロフォーサーズのみに対応することでよりコンパクトな設計にしたそうだ。最短撮影距離が0.8mなので、1:2のマクロ撮影が可能とのこと。なお、グループ会社のケンコーからは500mmのミラーレンズがすでに発売されているが、こちらの製品はトキナー社内で独自に設計された製品であるという。

300mmとは思えないほどコンパクトなデザイン

実際に触れることもできた

コシナ

コシナのブースはガラスケース内での展示が中心

コシナはマニュアルフォーカスで高品位なレンズをラインナップし、マニアックなユーザー向けの製品を発売しているメーカーだ。今回はマイクロフォーサーズ用と35mm一眼用の新製品が2種類、およびフォクトレンダー製品のデザイン変更が目新しい。

マイクロフォーサーズ用の「NOKTON(ノクトン) 17.5mm F0.95」は、焦点距離が35mm相当でF0.95と、非常に明るいレンズだ。

マイクロフォーサーズ用の「NOKTON 17.5mm F0.95」(写真左)。オリンパスの「OM-D」に取り付けたところ(写真右)。クラシカルなOM-Dとマッチしている

「Distagon T* 2/25」は、すでに発売されている「Distagon T* 2.8/25」をさらに明るくしたカールツァイスレンズだ。キヤノン用とニコン用の発売が予定されている。

画質には定評のあるカールツァイスレンズの「Distagon T* 2/25」

コシナのフォクトレンダーブランドのレンズ「SL II」シリーズは、光学系はそのままにデザインを変更して発売。フォーカスリングを金属製にして高級感をアップさせている。製品名に「N」と書いてあるのが新しい製品だ。

「COLOR SKOPAR 20mm F3.5 SL II N Aspherical」

「ULTRON 40mm F2 SL II N Aspherical」

「Nokton 58mm F1.4 SL II N」

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