キヤノンは7日、デジタルカメラ「PowerShot」シリーズの新モデル「PowerShot G1 X」を発表した。発売は3月上旬を予定しており、価格はオープン。推定市場価格は75,000円前後となっている。

シリーズ最上位モデルとなる「PowerShot G1 X」

背面には光学ファインダーを備える

自社開発の1.5型(18.7×14mm)CMOSセンサーを搭載するハイアマチュア向けモデル。昨今の多くのコンパクト機のセンサーサイズが1/2.3型程度という点を踏まえれば、1.5型はレンズ一体型のデジタルカメラとしては破格のサイズといえる。ミラーレス機に多いAPS-C(23×15mm程度)やフォーサーズ(18×13.5mm程度)と比べても遜色がないレベルだ。

新開発の1.5型CMOSセンサーを搭載し、受光性能が大幅に向上

センサーサイズの大型化により、1/1.7型CCD搭載の従来機「PowerShot G12」と比べて受光面積が約4.5倍と、より多くの光を取り込めるようになった。さらに、センサー上のオンチップマイクロレンズ技術の改良により集光効率も向上し、ISO12800という高感度でも実用的なレベルでの撮影が可能になった。

レンズは、新開発センサーの描写力を最大限に引き出すために専用設計されたものを採用。コンパクトな機構ながら、広角端28mm(35mmフィルム換算時)からの光学4倍ズーム(望遠端112mm)と、開放F値がF2.8(広角端)と高い光学性能を誇る。

背面の液晶モニターはバリアングル方式となっている

画像処理エンジンは、「DIGIC 4」の約4倍の情報量の処理や約6倍の速度での処理が可能な「DIGIC 5」を搭載。ノイズのさらなる低減や、画像内のエリアごとに最適なホワイトバランスを実現する「マルチエリアホワイトバランス」を実現した。

その他の主な仕様は、有効画素数が約1,430万画素、動画の記録画素数が1,920×1,080ドット(フルHD)、対応感度がISO100~ISO12800、レンズの開放F値がF2.8~F5.8。背面のモニターは約92.2万ドット・3型の液晶(2軸回転方式)で、撮影データの記録形式は静止画がJPEGとRAW(14bit対応)、動画がMOV、利用可能な記録メディアはSD/SDHC/SDXCカードとなっている。バッテリーはリチウムイオン充電池で、CIPA準拠の撮影可能枚数は約250枚(液晶モニター使用時)。

サイズはW116.7×D64.7×H80.5mm、重量は本体のみで約492g、バッテリーとメモリーカードを含む状態で約534gだ。

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