インテルは12月20日、都内で記者向け定例会「インテル IAアップデート」を開催した。今年最後となるIAアップデートであり、毎年恒例となっている、同社の今年1年間のトピックを振り返る"インテル10大ニュース"が発表された。

2011年の「インテル10大ニュース」。第2世代Coreの普及が特に大きいが、ちなみに現時点で、リテールの70%以上が既に第2世代Coreに置き換わっているのだという

2011年は、日本にとって、後年まで特に記憶されるであろう激動の年であった。一方でまた、Intelの日本法人であるインテル株式会社にとっては、1981年の設立から35周年の記念の年でもあった。同社代表取締役社長の吉田和正氏は、そんな2011年を、「テクノロジが、日本がいまおかれている状況にあって、どうあるべきか、ということを第一に考えさせられる一年だった」と振り返る。

登壇し、恒例の10大ニュースを発表するインテル 代表取締役社長 吉田和正氏

2011年は、未曾有の大震災のこと無しには語れないが、インテル株式会社にとっては設立35周年でもあった。中央のwith Japanのロゴは、3月の震災時から使われているもの

吉田氏は、3月の震災の折に、「ICTの重要性を再認識した」と話す。震災では、同社のつくばオフィスも大きな被害を受け、11月の再建までのおよそ7カ月間、つくばの同社社員はオフィスが無い状態での業務遂行が必要という状況になった。図らずともここで、円滑な在宅勤務など、ICTを利活用したインフラによる業務遂行が、同社において実践できたかっこうとなった。

実際に震災時、携帯電話が繋がらない中、スマートフォンからアクセスしたインターネットの情報が役に立ったという経験をされた方は多いだろう。日本では、インフラやライフラインとしてのICTの重要性がクローズアップされた

「ICTと言うと、今までは生産性や効率化といった部分だったが、ICTがインフラや、継続性の高いライフラインとして重要だということにも気付かされた」(吉田氏)と、経験を通して、ICTの認識が変わったのだということを紹介。2012年からの将来にかけては、日本が経験したICTの利活用を踏まえることで、日本のICTは世界に打って出れるものにして行けるのではないかと、展望を語った。同社では、そういったICTはじめ、日本の技術の世界への発信を強化できるよう、多くの施策を用意していくことも語られている。

つくば市では、筑波大学やインテルと連携した、ICTを活用した街づくりのプロジェクトがスタートしている

2011年を振り返るとともに、2012年に向けた展望では、同社の半導体製品の大きなアップデートが用意されていることもトピックとして取り上げられた。来年春に計画されているIvy Bridge(開発コードネーム)は、半導体製造プロセスが現在の32nmから22nmへと微細化され、第3世代Intel Coreとして登場する。また、今年に普及の端についたUltrabookについては、吉田氏が「新しい市場カテゴリをつくる意気込みで真剣にやっていく」と述べるなど、2012年が飛躍の年になるであろうとの思いが語られていた。

Ultrabookのロードマップ。2012年に第3世代Coreを搭載し、2013年にはHaswell(開発コードネーム)の搭載が計画されている