機能面の特徴は、レンズ交換式のデジカメでは世界で初めて「撮像面位相差AF」を搭載したこと。これは、撮像素子内に位相差検出方式のAFセンサーを組み込んだもの。コンパクトデジカメが採用するコントラスト検出方式のAFに比べて、よりスピーディなピント合わせができる。今回の試用では、キット付属の単焦点レンズのほか標準ズームや高倍率ズームを使ったが、いずれのレンズでも明るい屋外の撮影では、テキパキと作動するAF性能を確認できた。

薄暗いシーンでは自動的にコントラストAFに切り替わり、AFスピードはやや低下する。AFエリアは135点からの手動選択、または41点からの自動選択ができ、顔認識AFやターゲット追尾も利用できる。また、フォーカスモードをマニュアルフォーカスに設定した場合は、最大10倍の拡大表示を見ながら、ロータリーマルチセレクターを回して手動でのピント合わせができる。

ボディ前面に動画用のステレオマイクを搭載。そのほか、AF補助光/セルフタイマー/赤目軽減用のランプ、リモコンの受光部を装備する

静止画撮影モードで背面のFボタンを押すと、シャッター方式のメニューが表示される。機械式、電子式、電子式の高速連写の3モードを選べる

シャッター方式として、「メカニカルシャッター」と「エレクトロニックシャッター」の2つを切り替えられる点にも注目したい。初期設定であるメカニカルシャッター(機械式シャッター)を選んだ場合は、1/4,000~30秒のシャッター速度を利用でき、ストロボの同調速度は最高1/250秒となる。高速で動く被写体の、像の歪みを抑えたい場合はメカニカルシャッターを利用すると良い。連写スピードは秒間約5コマとなる。

一方のエレクトロニックシャッター(電子シャッター)を選んだ場合は、1/16,000~30秒のシャッター速度を利用でき、ストロボの同調速度は最高1/60秒となる。連写スピードは、AF追従で秒間約10コマ、フォーカス固定では最高で秒間約60コマに対応。フル画素でありながら、まるで動画のような圧倒的な高速連写が行える。

さらにユニークなのは、静音撮影に対応していること。エレクトロニックシャッターの状態で電子音の設定をオフにすれば、撮る瞬間のレリーズ音をほぼ無音に近い、ごくわずかな作動音のみにできる。演奏会や結婚式など、カメラの作動音を控えたいシーンで役立つだろう。

感度やホワイトバランスは撮影メニューから設定する。感度オートの設定は、上限が異なる3モードが用意されている

そのほかに撮影メニューでは、白とびや黒つぶれを抑える「アクティブD-ライティング」や、一定間隔で自動撮影するインターバルタイマーなどを選択できる

動画は、最大で1,920×1,080/60iのH.264記録をサポートする。付加機能としては、動画記録中の静止画撮影のほか、スローモーション動画機能を搭載。640×240ピクセルで400fps、または320×120ピクセルで1,200fpsの撮影が行える。音声は内蔵または外部マイクによるステレオ録音に対応する。

動画モードでは、HD動画のほか、スローモーション動画を選べる

動画(クリックすると別ウィンドウで開きます)
スローモーション動画の作例(再生時間約66秒、ファイルサイズ14.3MB)