Kindle Fire

ホリデーシーズン商戦での好調なスタートを切ったとみられるAmazon.comのKindle Fireだが、同製品の登場により多くのAndroidタブレットが市場を侵食され、このカテゴリにおけるKindle Fireの製品シェアは50%近くに達する可能性があるという。その一方、AppleのiPadだけはこの難を逃れ、引き続き高い利益率とシェアで市場をリードしていくことになりそうだという。ある投資銀行のアナリストがレポートの中で報告している。

このレポートを出しているのはEvercore PartnersのアナリストRobert Cihra氏で、そのハイライトがForbesのApple 2.0 Blogの中でPhilip Elmer-Dewitt氏によって紹介されている。要旨としては、Kindle Fireの販売は非常に好調で、iPad以外の"ハードウェアでの利潤を前提とした"他のタブレット製品の多くを消し去り、2012年におけるAndroidタブレットのシェアの50%を同製品が占めることになるという。一方でAppleは競争力の面で引き続きリードを持っており、スマートフォン、タブレット、PCのすべての分野において最も利益率の高いビジネスモデルを維持できると見ている。

Kindle Fireが純粋なAndroidタブレットかどうかは見方が分かれるが、ベースとなるOSがAndroidである以上、マーケットアプリの差異とカスタマイズされたUIを備えているにしてもその派生品とみていいだろう。

今回のポイントは、Kindle FireがAndroidを中心としたiPad以外のタブレット製品のシェアを大きく侵食すること、そしてタブレット全体におけるiPadのシェアが減少したとしてもその地位が大きく脅かされるわけではないことの2つだ。Kindle Fireの200ドルという価格設定はほぼ原価ギリギリの水準だとされており、通常のハードウェアメーカーであればこの価格では利益は出ないどころか赤字だ。ゆえにコンテンツを持つAmazon.comは価格面での魅力でライバル製品との差別化を図っており、これが一定以上の効果をもたらすとともに、ライバルのシェアを大きく奪うことにつながるというわけだ。逆に、AppleのiPadには300ドルの価格差だけでは測れない魅力があるのだと、Cihra氏は分析していることになる。

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