「出雲モデル」「伊達モデル」の狙い

国内生産の強みをアピールする狙いもあり、島根富士通で生産するノートPCを「出雲モデル」、福島県伊達市にある富士通アイソテックで生産するデスクトップPCを「伊達モデル」としてプロモーションを開始する。

国内生産アピールに向け「出雲モデル」ブランド、「伊達モデル」ブランドを採用した

齋藤執行役は、「日本ならではの良さを端的にいえば、武士道ということになるのではないか。当社がパソコンを生産する出雲と伊達はいずれも日本文化を継承した土地柄。ここで日本的なパソコンを作ることでブランドアピールができる」と、出雲ブランド・伊達ブランドの狙いを訴える。

このプロモーションでは、グッズとしてのぼり・手ぬぐい・顔抜きパネルなどを作る計画で、店頭で大々的に出雲産/伊達産をアピールしていくという。

実は、島根富士通がある島根県簸川郡斐川町は、10月1日付けで出雲市と合併する。10月1日以降も島根富士通で生産したパソコンは、文字通り出雲モデルということになる。

出雲モデル出荷を記念して行われた来賓によるネジ締めセレモニー

それぞれがねじ締めした製品を手に出雲モデル出荷を祝う

出荷を記念したくす玉も用意

出雲市長の長岡秀人氏は、「出雲は知名度でいえば日本でもトップレベル。来たことはなくても地名は知っている人が多い。私は以前から富士通さんに、出雲ブランドを活用してもらいたいとしつこくお願いしてきた。その願いが本日、実現する。某社の亀山モデルを越えるアピールができるのではないか」と出雲ブランド活用を歓迎した。

斐川町長の勝部勝明氏は、「斐川町民は真面目で、もうひとついえば勤勉というのが特性。斐川町は島根富士通さんと共に発展し、2008年の2,000万台達成記念、昨年の20周年の時の式典にも参加させてもらった。さらにこれから3,000万台を一日も早く達成してもらいたい。さらに、出雲の国は縁結びの国であり、出雲モデルで世界各国の人との絆を結んでもらって、富士通と共にこの地の発展につなげてもらえば」と話した。

出雲市の長岡秀人市長

斐川町の勝部勝明町長

従業員自身の手になる生産革新

島根富士通 代表取締役社長の宇佐美隆一氏

出雲ブランドの源泉となる島根富士通の特徴については、株式会社島根富士通の代表取締役社長である宇佐美隆一氏が「600人以上のプロパー社員がおり、従業員の離職率は1%以下。製品の品質を支える人材が土台となり、それを発展させる壁の役割をするのが生産革新。近年、中国に工場が移設されるケースが増えているが、日本と中国を比較すると働く人のモチベーションが日本の方が高い。島根富士通では、年度あたり10%前後の生産革新を従業員自身の手で行い、これがモチベーションにつながっている」と説明する。

島根富士通の目標

生産革新・間接革新の変遷

人と機械の協調生産

品質教育と人材教育

間接革新の取り組み

生産革新活動の成果

また、企業ユーザーからは出荷する製品にカスタマイズを行って欲しいというニーズが近年高まっているという。「台数ベースでも割合は増加している。これがMade in JAPANの価値の1つとなっている」という。生産革新についても「まだ改善に取り組める余地は十分にある」とさらなる改善を進めていく計画だ。