UQコミュニケーションズの「UQ WiMAX」をはじめとして、NTTドコモの「Xi(クロッシィ)」、ソフトバンクの「ULTRA SPEED」、イー・アクセスの「EMOBILE G4」と各社の高速モバイルデータ通信のラインナップが揃ってきた。高速モバイルデータ通信は、下り最大40Mbps級というモバイル通信ながら固定回線に対抗し得る高速な通信速度が特長だ。
前編では、WiMAX、Xi、ULTRA SPEED、EMOBILE G4という4つのサービスの内容や料金、Wi-Fiルーター端末のスペックの比較を行った。後編の本稿では、都内8カ所で実際に通信速度の測定を行い、各サービスの通信速度と利用エリアの充実について考察した。
通信速度計測の概要
通信速度の測定には、各サービスのWi-Fiルーターを使用した。使用したWi-Fiルーター端末は、WiMAXが「URoad-8000」、Xiが「L-09C」、ULTRA SPEED「ULTRA WiFi SoftBank 007Z」、EMOBILE G4が「Pocket WiFi GP02」である(端末の詳細なスペックについては前編を参照のこと)。
測定を行った地点は、丸の内、羽田、新宿、有楽町、大手町、秋葉原、池袋、竹橋というエリアの8カ所で、屋内、屋外それぞれ4カ所となっている。各地点で3回の測定を行い、上り速度と下り速度の平均速度を記録した。
測定に用いたLet's noteの高性能コンパクトモバイルPC「CF-J10」。牢性や液晶画面の見やすさなどが特長 |
測定に用いたPCは、パナソニックのPCブランド「Let's note」より、10.1型液晶搭載の高性能コンパクトモバイルPC「CF-J10」。今回は、CPUにIntel Core i7-2620M 2.7GHz、OSにWindows 7 Professional 64bitを採用したモデルを使用している。なお同モデルは、WiMAXモジュールを標準内蔵しており、契約すればすぐにWiMAXの高速通信を利用できるが、今回はルーターでの比較のためURoad-8000でWiMAXに接続している。
通信速度の測定は、「価格.com」のWebサイトのブロードバンドスピードテスト「URL : http://kakaku.com/bb/speed.asp」で行なっている。測定に使用したWebブラウザは「Firefox 5.0.1」だ。
高速通信の測定結果
都内8カ所での各高速通信サービスの通信速度の測定結果は、以下のようになった。
また、以下に各地点での通信速度の測定結果をまとめたので、ご一読いただきたい。ちなみに測定したのは8月13日の土曜日で、丸一日かけて都内8カ所をまわった。実際にベンチマークを行い、少なくとも都内の主要エリアにおいては、どのサービス・端末も利用できるものの、データ通信として重要な"速度""端末"の使い勝手としては、現時点ではWiMAXが優位といえるだろう。
JR東京駅の改札内にある駅ナカ「グランスタ」では、WiMAXのURoad-8000の下りの平均速度が18.4Mbpsと最も速く、他のWi-Fiルーター端末を圧倒していた。
地下ということもあってなのか、XiのL-09Cは下り平均3.0Mbpsと振るわなかった。上り速度ではULTRA SPEEDの007Zが平均2.1Mbpsでトップなった。
羽田空港の第2旅客ターミナル2Fにある出発ロビー前では、WiMAXのURoad-8000が下り平均17.3Mbpsを記録してトップとなった。下り平均速度では、次いでXiのL-09Cが16.6Mbps、ULTRA SPEEDの007Zが14.9Mbps、EMOBILE G4のGP02が8.1Mbpsだった。
上り速度では、L-09Cが平均12.4Mbpsと下り並みの速度を記録した。おそらく、Xiのエリアの一部にある「上り最大25Mbps」のエリアと思われる。空港ビルのロビー前とあって、各Wi-Fiルーターとも速い通信速度を記録した。とりわけ、URoad-8000とL-09Cは、下り平均15Mbps以上だった。