本格的な猛暑を迎え、節電対策と熱中症対策の両立という"難題"をつきつけられた今夏。室内の空調においてカギを握るのは、やはり扇風機だろう。

都心の大手家電量販店も、扇風機の販売には力を入れている様子。東京・有楽町のビックカメラ有楽町店本館でも、店舗入口に扇風機の特設売場が開設され、ダイソンの"羽根のない扇風機"エアマルチプライアーをはじめ、各メーカーの扇風機が販売されていた。

ビジネスマンなどでにぎわうJR有楽町駅前にあるビックカメラ有楽町店本館。店舗入口に扇風機の特設売場が開設されていた

"羽根のない扇風機"は手入れのしやすさと安全性で人気に

「東日本大震災が発生した後、扇風機に関する問い合わせを多くいただききました。その影響もあり、例年より1カ月前倒しして展開することに。開設当初から関心を持つお客様が多く、『どの機種がいいの?』という相談もたくさんいただきました」と話すのは、同店「節電カウンター」担当、名倉由子さん。

"羽根のない扇風機"エアマルチプライアーに興味を示す来店者も

通常は毎年5月から扇風機の特設売場が開設されるそうだが、今年は4月から同店地下1階に特設売場を開設していた。そんな中、来店者から関心を集めている機種のひとつが、ダイソンの"羽根のない扇風機"エアマルチプライアーだ。取材中にも、同商品の前に立って風を浴び、ループ増幅器に手を通す人が多く見られた。

「話題の商品だけに、興味を持つお客様も多いですね。仕組みについて疑問を抱き、『どうやって風を出しているのか?』と聞かれることもあります」と名倉さん。同商品を、「デザインだけでなく、お手入れが楽なことと、安全性が高いことも評価されていると思います。実際、『手入れが楽だからいい』『羽根がないから子供がケガをする心配がない』と話すお客様もいらっしゃいました」と評価した。

エアマルチプライアーの中でも、「AM01 テーブルファン」のサテンブルーのモデルへの関心が高く、来店者からの問い合わせも多かったようだ。

エアコンの設定温度は"自分にとっての適温+1度"が理想

深刻な電力不足が予想される今夏、政府は各家庭に向け、平日9~20時に15%の節電を促している。それにともない、消費電力の高いエアコンの代替として、扇風機が注目されているのはご存知の通り。名倉さんも、「一般的なエアコンだと、つけた瞬間の消費電力は1,200W前後で、安定運転に入った後も200W前後の電力を使います。対する扇風機の消費電力はほぼ30W。それだけ大きな差があります」と、扇風機による節電効果を説明する。

ビックカメラ有楽町店本館「節電カウンター」を担当する名倉由子さん

だが猛暑で熱中症になる人が続出する中、扇風機だけで夏を乗り切るのは容易ではない。そこで名倉さんに、快適に過ごせて節電にも効果的な空調設備の使用方法を尋ねてみた。

「エアコンの場合、温度設定の理想は28度と言われていますが、日中の気温が30度以上にもなる中、エアコンが28度では体感の温度差があまり感じられませんよね。なので、日中に関しては、ご自身が適温だと思う設定温度から1度プラスすることをおすすめしています。エアコンの温度を1度上げるだけで、消費電力を10%節約できるんです」と名倉さんは言う。

扇風機については、「室内のどの場所に設置してもいいのですが、扇風機の首振り機能を利用するのがいいでしょう。これにより、エアコンの空気を室内全体に行き渡らせることができます」と説明した。

一方、今後も台風や突然の豪雨などにより、気温が高くないが湿度が高く、じめじめとした日が来ることも予想される。そのような日は、エアコンを「冷房」ではなく、「除湿」に設定する人も多いかもしれない。

しかし名倉さんによれば、「エアコンの除湿機能には安定運転に切り替わらないものが多く、かえって電力を浪費してしまいます」とのこと。

除湿できたらエアコンを消し、再び湿気を帯びてきたらエアコンをつけるのも、「エアコンは使い始めた直後が最も電力を使うので、これもムダな電力を使うことになってしまいます」と指摘しており、今夏はこのような使用方法はなるべく避けるべき。名倉さんも、「湿気の多い日でも、ある程度除湿できたら、『冷房』に切り替えるのがいい方法だと思います」とアドバイスしていた。