ダイソンはこのほど、人気キャンディショップ「papabubble(パパブブレ)渋谷店」とのコラボイベントを開催した。イベントでは、同社の"羽根のない扇風機"エアマルチプライアーの開発ストーリーも紹介された。

ダイソンとのコラボイベントを開催した「papabubble渋谷店」

エアマルチプライアーは個性的なキャンディや店内装飾ともマッチしていた

人気キャンディショップの店内に"羽根のない扇風機"が!

ダイソンとパパブブレのコラボは、両社とも、「ほかにはないクリエイティブな商品をつくる」という共通点を持つことから実現した。

イベント会場の「papabubble渋谷」では、かわいらしいデザインのキャンディの数々とともに、エアマルチプライアー「AM01 テーブルファン」「AM02 タワーファン」のダイソンオンラインストア限定モデルなども展示。これらを珍しそうに眺め、円形のループ増幅器の中に手を通してみる利用客の姿も多かった。

ハンドドライヤーの技術が"羽根のない扇風機"のヒントに

ダイソンのインターナショナル・サポート・エンジニア、アンドリュー・マカラック氏。手には分解されたエアマルチプライアーが

今回のイベントでは、ダイソンの英国人エンジニア、アンドリュー・マカラック氏が、エアマルチプライアーについて説明を行った。

「扇風機が発明されてから約100年間、製品としてはほとんど進歩しませんでした。でもまったく問題がなかったわけではありません」と、マカラック氏は分解されたエアマルチプライアーを持ちながら話す。

「どこでも簡単に置ける製品ではないし、汚れた羽根をきれいにするにはケースを外す必要があり、掃除が面倒です。風量も、強・中・弱の3段階しかコントロールできません。羽根の回転で風を作り出すため、断片的でムラがあり、途切れ途切れの風になっていました」と、従来型製品の問題点を指摘した。

エアマルチプライアーに関しては、海外の空港などに広く設置されているダイソンのハンドドライヤー「エアブレード」(日本では非売品)からヒントを得たという。

マカラック氏は、エアマルチプライアーの開発のヒントとなった「エアブレード」について、フリップを用いて説明した

「エアブレードは、手をかざすと狭い穴から強力な風が吹き、手に付いた水滴を飛ばして乾かす仕組みになっています。この製品の開発で発見したのは、狭い穴から凄まじい速さの気流が吹き出すことで、その気流が周りの空気を巻き込み、より大きな風量を作り出すことでした。『この技術を使えば、空気を少なく取り込んで大きな風量を作り出し、涼しくなれるのでは?』、その思いが扇風機へとつながっていきました」と彼は述べた。