NTTドコモから販売が開始されたリサーチ・イン・モーション(RIM)のBlackBerryスマートフォンの新モデル「BlackBerry Bold 9780」は、小型なボディに約2.4インチ(480×360ドット)の液晶ディスプレイとQWERTYキーボードを収めたスマートフォン。国内では新OSの「BlackBerry 6」を搭載した初めてのモデルとなる。

BlackBerryスマートフォンの新モデル「BlackBerry Bold 9780」

本稿では、BlackBerry Bold 9780の搭載機能や使用感を豊富な写真、スクリーンショットとともに紹介していく。

主な仕様  [サイズ] 約109(H)×60(W)×14.1[最厚部:約14.8](D)mm  [重量] 約122g  [連続待受時間(3G/GSM)] 約520時間/約410時間  [連続通話時間(3G/GSM)] 約230分/約320分  [ディスプレイ] 約2.4インチ(480×360ドット)TFT液晶  [カメラ] 約500万CMOSカメラ(2.5倍デジタルズーム対応)  [機能] Wi-Fi(IEEE802.11 b/g)/Bluetooth 2.1+EDR /GPS/Micro SDHC(別売:最大32GB)/国際ローミング(3G+GSM)/FOMAハイスピード(下り最大3.6Mbps)など

コンパクトながら操作しやすいデザイン

それでは外観デザインからチェックしていこう。BlackBerry Bold 9780は「BlackBerry Bold 9700」の後継モデルにあたる機種で、本体のデザインは基本的にBlackBerry Bold 9700を踏襲している。QWERTYキーボードはコンパクトながらも打ちやすく、片手でも両手でも操作可能。スリムなボディに収められたキーボードは極めて小さいものの、傾斜のある形状になっているため、目的のキーを的確に押すことができる。トラックパッドの感度も良好だ。

BlackBerry Bold 9780(左)と前モデルのBlackBerry Bold 9700。外観はほとんど変わらない

両端末ともに手のひらに収まるコンパクトなボディで、本体前面にはQWERTYキーボードとトラックパッドを搭載している

キーは傾斜のある形状になっていて押しやすく、慣れれば打ち損じもほとんどなくなるだろう

両手入力はほかのスマートフォンと比較してもかなり快適。もちろん片手でも入力できる

本体側面には各種ファンクションキーを備えている。右側には音量アップ/ダウンキー、右サイドキーがある。左側には左サイドキーに加えて、ステレオミニジャック端子(3.5mm)、マイクロUSBポートが配置されている。左右のサイドキーには、任意のアプリケーションを割り当てられる。

本体右側面。右から音量アップ/ダウンキー、右サイドキー

本体左側面。イヤホンジャック、マイクロUSB端子、左サイドキーが並んでいる

本体上部には、ロックキーとミュートボタンが配置されている。ロックキーを押せば各種キーがロックされ、カバンやポケットに入れた際などに誤動作を防げる。背面にはカメラとLEDフォトライトが設置されている。カメラのスペックは約500万画素のCMOS。オートフォーカス、手ぶれ防止のほか、2.5倍のデジタルズーム機能などが利用できる。なお背面のバッテリーカバーには、レザー調の素材を採用している。

本体上部。右側からロックキーとミュートボタンを配置している

BlackBerry Bold 9780の背面。約500万画素CMOSカメラとLEDフォトライトを配置

進化したカメラ機能

ここからBlackBerry Bold 9780の特長となる機能について解説していく。まず、前項で少しふれたが、BlackBerry Bold 9780ではカメラ機能が強化されている。前モデルのBlackBerry Bold 9700では約320万画素だったが、約500万画素に向上。最大2.0倍の静止画のズームにも対応する。このほか、カメラの撮影時に、メニューの[シーンモード]から、撮影シーンに適したモードを簡単に選んで撮影できるようになったほか、操作画面からフラッシュや位置情報タグのオン/オフを簡単に設定できるようになった。

[シーンモード]で撮影シーンに適したモードを簡単に選べる

フラッシュや位置情報タグのオン/オフをカメラ画面で簡単に操作可能

新OS「BlackBerry 6」をチェック

続いて、最大の特徴とも言える新OSのBlackBerry 6についてだ。BlackBerry 6では、ホーム画面が一新され、画面下部アプリなどのショートカットアイコンが並んだバーは、表示されている部分以外にも左右にスクロールできる。バーのアイコンはカテゴリごとに配置されており、カテゴリは「すべて」→「お気に入り」→「メディア」→「ダウンロード」→「よく使う項目」という順番で並んでいる。カテゴリ名の部分をクリックすれば、カテゴリが展開され、配置されているアイコンを閲覧可能。例えば、ダウンロードしたアプリは「ダウンロード」カテゴリに配置されていて、「すべて」を展開すればすべてのアイコンを閲覧して選択できる。ホーム画面から目的のアプリをすばやく起動することが可能となっている。

BlackBerry Bold 9780のホーム画面

ショートカットアイコンのバーは、表示されている部分以外にも左右にスクロール可能

加えて、ホーム画面上部の通知エリアも刷新されている。着信・更新などのあったアプリのアイコンが表示されるのはBlackBerry 5と同じだが、BlackBerry 6では通知エリアをクリックすることで、通知内容の確認が可能。その通知からアプリを起動することができるようになっている。

通知エリアに着信・更新などのあったアプリのアイコンが表示される

通知エリアをクリックして、内容の確認やアプリの起動が可能

また、通知エリアの右側にある[検索]アイコンをクリックすると、「ユニバーサル・サーチ」の検索バーが表れる。キーワードを入力すると、BlackBerryスマートフォン内のアプリ、Micro SDカード内のファイル、Web、SNSなどでの検索結果を閲覧できる。このほか、設定画面のデザインもアイコンを使用した視認性の高いデザインに変わっている。

BlackBerry端末内のアプリ、Micro SDカード内のファイル、Web、SNSを検索できる「ユニバーサル・サーチ」

各種設定画面はわかりやすくデザインが刷新

このほか、標準で搭載されているWebブラウザも新しくなっている。BlackBerry Bold 9780では、Webkitをベースにしたタブ型ブラウザを採用しており、複数のWebサイトを平行して閲覧することができる。また、[Alt]キーを押しながらトラックパッドをスライドして「ズームイン/アウト」ができるようになったほか、Webサイト閲覧時にアドレスバー右側のアイコンから[ホームスクリーンに追加]を選択して、ホーム画面や指定のフォルダにショートカットを配置できるようになった。

Webkitをベースにした新設計の標準Webブラウザ

タブブラウジングが可能となった

[Alt]キーを押しながらトラックパッドをスライドしてズームイン/アウトを操作

ホーム画面や指定のフォルダにWebサイトのショートカットを配置できる

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BlackBerry Bold 9780は、前モデルのBlackBerry Bold 9700と同様に、コンパクトなボディではあるが、新OSの「BlackBerry 6」を採用したことで、より使い勝手のよい端末に進化している。UIデザインの刷新により、操作性が向上したのはもちろん、筆者的には、ユニバーサル・サーチやタブ型ブラウザを採用したことで、一段とWeb閲覧が快適になった。加えて、金属やレザー調の素材を使用した高級感あるデザインも大変良い。他のスマートフォンにはない、所有感を感じることができると思う。

レビュー後編では、BlackBerry Bold 9780をさらに使い込んでいく。TwitterやFacebookなどのソーシャルサービスを統合して利用できるアプリ「ソーシャルフィード」の利用やRIMが提供する紛失対策・バックアップアプリ「BlackBerry Protect」、自身のPCと接続してファイル同期を行うソフトウェアの「BlackBerry Desktop Software」の導入について解説する。