iPhone 4

先日、台湾メーカーが9月出荷に向けAppleから1,500万台の新型iPhone製造を受注した話題を紹介したが、さらにAppleでは今年2011年末までにトータルで2,500万台の製造出荷を計画しているようだ。米Wall Street Journalが7月7日(現地時間)に報じている

WSJが伝える関係者の話によれば、新型iPhoneでの変更点の1つは3G通信を司るモデムチップで、従来までのiPhone 4が採用していた独Infineon Technologies (現在は部門をIntelに売却)製のものに代わり、米Qualcomm製のものが採用されることになるという。Qualcomm製モデムチップの特徴の1つはGSM/UMTSとCDMAの両方式を同時にサポートする点で、これは現行のiPad 2でも採用されているもの。新型iPhoneでは1デバイスで2方式を同時サポートすることになるとみられる。

それ以外の変更点について同記事では特に触れられていないが、一方でiPhoneの製造ベンダーの1つであるFoxconnの親会社の台湾Hon Hai Precision会長のTerry Guo氏の「iPhoneやiPadの筐体が薄型のためにコンポーネントの導入に手間取っており、イールド率(歩留まり)が満足のいくレベルに達していない」というコメントを紹介しており、これが改善されなければ結果的に当初9月といわれていた発売予定がさらに遅れる可能性もあるとアナリストらは指摘する。可能性の1つとして、デザイン上の大きな変更はないとしても、より薄型の筐体を採用するなどの方向でブラッシュアップが図られているのかもしれない。

こうした理由もあり、当初市場に出回るロットの出荷数は数百万台程度にとどまるとの見方が優勢だ。だがApple自身は、年内で2,500万台の出荷を目標としているとサプライヤ筋が伝えるように、比較的強気の方向で考えているようだ。とはいえ事前情報では、今回の新型iPhoneは従来モデルから大きな変更点がないとの指摘も出ており、アナリストらの台数予測は比較的控え目なレベルに偏っているとWSJでは伝えている。