米AMDは14日、"Llano"の開発コード名で知られていたメインストリーム向け新Fusion APUを、「AMD Aシリーズ」として正式に発表した。Phenom等で採用されていたStarsベースのCPUコアをデュアル/クアッド構成で内蔵するGPU統合型プロセッサだ。なお、今回の発表で登場したのはモバイル向けのAMD Aシリーズ。デスクトップ向け製品も近日中に追って登場するものと考えられる。

Llanoこと「AMD Aシリーズ」

Fusion APU最初の製品として、AMD E/Cシリーズの名称で製品化済みのZacate/Ontario(ともに開発コード名)プロセッサに続く、メインストリーム向けのFusion APU。CPUコアはZacate/Ontarioで新採用されたBobcatベースではなく、Phenomで採用実績のあるStarsベース。製造プロセスは32nmで、ダイサイズは228平方mmだ。統合されるGPUコアはRedwood(開発コード名、Radeon HD 55xx/56xxシリーズ)と同世代改良型のSumo(開発コード名)。

APUのブロックダイアグラム

統合GPUの主な仕様一覧

製品ラインナップは、AMD A8/A6/A4の3ラインで、全7モデルのプロセッサ製品が発表されている。最上位モデルのA8-3530MXは、TDPが45W、動作周波数1.9GHzのクアッドコア構成で、Turbo CORE技術により最大2.6GHzでの動作が可能。各ラインナップおよび主な仕様は以下の表のとおり。

モデル TDP CPUコア数 動作周波数(Turbo MAX) L2キャッシュ 対応メモリ GPUブランド GPU SP数 GPUクロック
A8-3530MX 45W 4基 1.9GHz (2.6GHz) 4MB DDR3 1600 /DDR3L 1333 HD 6620G 400基 444MHz
A8-3510MX 45W 4基 1.8GHz (2.5GHz) 4MB DDR3 1600 /DDR3L 1333 HD 6620G 400基 444MHz
A8-3500M 35W 4基 1.5GHz (2.4GHz) 4MB DDR3 1600 /DDR3L 1333 HD 6620G 400基 444MHz
A6-3410MX 45W 4基 1.6GHz (2.3GHz) 4MB DDR3 1600 /DDR3L 1333 HD 6520G 320基 400MHz
A6-3400M 35W 4基 1.4GHz (2.3GHz) 4MB DDR3 1600 /DDR3L 1333 HD 6520G 320基 400MHz
A4-3310MX 45W 2基 2.1GHz (2.5GHz) 2MB DDR3 1600 /DDR3L 1333 HD 6480G 240基 444MHz
A4-3300M 35W 2基 1.9GHz (2.5GHz) 2MB DDR3 1600 /DDR3L 1333 HD 6480G 240基 444MHz

プラットフォーム概要。「Sabine」とはLlanoのモバイル向けプラットフォームの開発コード名だ。組み合わせるチップセットはSocket FS1のAMD A70M/AMD A60M

このLlanoについて、さらに細かい仕様やアーキテクチャ詳細、実性能については、こちらの特集記事にて解説、検証を行っている。あわせてご覧いただきたい。

【特集】新Fusion APU「AMD Aシリーズ」を試す - LlanoベースのSabineノートで徹底検証
http://journal.mycom.co.jp/special/2011/sabine/