今回発表された「Fidelio」のラインナップ

フィリップスは25日、iPod/iPhone用スピーカー「Fidelio」シリーズ5製品を発表した。5月下旬より順次発売する。発表に際して開催された説明会では、同社の音質へのこだわりが紹介されるとともに、「5年でドッキングスピーカー市場のナンバーワンを目指す」というビジョンが明らかにされた。

今回発表された「Fidelio」シリーズは、すでにワールドワイドでの展開が行われており、数々の賞を獲得している製品。日本国内での販売は輸入代理店となる小泉成器を通じて、全国の家電量販店やオンラインストアにて行われる。

「Fidelio」シリーズ5製品のラインナップ

DS9000

DS8500

最上位モデルとなる「DS9000」は、店頭予想価格が59,800円前後。高品質部品と天然木材による忠実なサウンドの再現性を特徴する。近接センサーでバックライト付きコントロールパネルが軌道し、また専用iPhoneアプリによるコントロールでインターネットラジオの聴取や音楽再生のコントロール、時計としての利用が可能。また、今回発表の製品で唯一iPadにも対応する。定格出力は50W RMS×2、SN比は85dB。本体サイズはW562×D219×H180mm。

次位グレードの「DS8500」は、店頭予想価格が24,800円前後。背面カバーのカーブがエレガントで緻密な音を実現する。このモデルにも近接センサーが装備されている。定格出力は15W RMS×2、SN比は85dB。本体サイズはW420×D158×H139mm。

DS7510

DS3000

持ち運びも可能な「DS7510」は、店頭予想価格が14,800円前後。単3形電池4本またはACアダプタからの給電で動作する。豊かで繊細、歪みのない低音を特徴とする。定格出力は10W RMSで、SN比は65dB。サイズは、W310×D110×H40mm。

「DS3000」も持ち運び可能で、こちらはコンパクトタイプ。店頭予想価格は12,800円前後。ネオジウムスピーカーがピュアでバランスの取れたサウンドを実現する。定格出力は8W RMSで、SN比は85dB。サイズはW210×D150×H135mm。

DS1100

ベッドルームにぴったりのアイテムとしてナイトライト機能を搭載したモデルが「DS1100」。どの角度から見ても美しい360度円形デザインを採用している。定格出力は4W RMSで、SN比は85dB。サイズはW171×D67×H171mm。

開発は「Golden Ear」と呼ばれるプロフェッショナルが担当

フィリップス エレクトロニクス ジャパン コンシューマーライフスタイル事業部 マーケティング部長の長谷川敦氏

製品発表に先立って開催された製品説明会では、まずフィリップス エレクトロニクス ジャパン コンシューマーライフスタイル事業部 マーケティング部長の長谷川敦氏が今回の日本市場への製品投入の背景とビジョンを説明した。同氏はドッキングスピーカー市場について、「まだまだ市場は小さいが、成長が見込める。この中でシェアを伸ばすことも大事だが、我々が参入することで市場を拡大していきたい」とし、「参入するからにはナンバーワンを目指したい」と語った。そしてこのカテゴリでフィリップス製品のデザイン性と高音質を浸透させ、その他のオーディオ製品の展開につなげたいとした。

続いて、フィリップスのコンシューマー ライフスタイル事業部でコンシューマー マーケティング マネージャーを努めるルジェーロ・ナルドネ氏が製品のデザインについて解説。デザインコンセプトは"これまでと違うもの、音に合ったもの"とのことで、ユーザーによるデザイン評価でも高い評価を得ているという。また同氏は、「DS9000」の専用アプリについてもデモを交えて紹介した。

コンシューマー マーケティング マネージャーのルジェーロ・ナルドネ氏

アプリによる操作のデモ。「DS9000」は今回発表された製品で唯一iPadに対応する

その後に登場したジュリアン・ベルジェール氏は、同じくコンシューマー ライフスタイル事業部でサウンド アンド アコースティックスのシニアマネージャー。同氏はフィリップスで「Golden Ears Certification Program」という、厳選されたサウンドエンジニアを認定するプログラムの創設に関わっており、この"Golden Ears"という音のプロフェッショナルが同社のオーディオ製品の開発に関わっているのだという。プレゼンテーションの中では同プログラムの認定試験のテストのひとつが取材陣にも出題されたが、その難易度の高さがうかがわれるものだった。

サウンド アンド アコースティックス シニアマネージャーのジュリアン・ベルジェール氏。同氏自身も"Golden Ears"と呼ばれる音のプロフェッショナルだ

認定試験の問題のひとつ。会場に音声が流され、その途中で音が増幅されたのかカットされたのか、そしてそれが起きたのはどの周波数かを回答するというもの。増幅かカットかはわかっても、周波数まで正解する人は多くないだろう