連載【Office for Mac 2011 新機能大全】
第1回 「Office for Mac 2011」登場! その進化のポイント
第2回 文書作成を助けるあんな機能、こんな機能
第3回 表現力アップ&便利になった「Word 2011」
第4回 パフォーマンスアップ&VBA復活で快適な作業環境
第5回 プレゼンテーションの表現力を高めるPowerPointの新機能
第6回 新登場の「Outlook 2011」は互換性とMac親和性を両立
第7回 さまざまな環境からの「Outlook 2011」への移行
・Office for Mac 2011の概要についてはこちら

「Office for Mac 2011」(以下、Office 2011)から注目の新機能をピックアップし、その実力をひも解く本連載。4回目となる今回は、Excelの進化について検証していこう。

まず特筆したいのは、パフォーマンスの向上による作業環境の快適化だ。一口にパフォーマンスの向上と言ってもその便利さはなかなか実感しにくいかもしれない。しかし一度Excel 2011を使ってみると、処理待ちの間に表示されていた七色のカーソルがほとんど表示されないことに気が付くはずだ。

現在、旧バージョンのExcelを利用している人は、使用中にレインボーカーソルの現れるタイミングを意識してみてほしい。データのソートやグラフ化などを実行している間だけでなく、その操作を行うためのダイアログ表示までの間、作成したグラフを移動する場合など、表示される機会がかなり多いのだ。そのほとんどが表示されないとなれば、どれだけ快適かぜひ想像してみてほしい。

動画 - QuickTime形式
Office 2008とOffice 2011で複数セルへのフィルと再描画にかかる時間を比較してみた。300×300セルを選択した状態で、「=rand()」という乱数を求める関数式を入力し、「control」キーを押しながら確定。Office 2008では全セルへのフィルが完了して結果が表示されるまで約4.3秒を要したのに対し、Office 2011では約1.3秒で完了する。なおこのテストは、2.4GHz Intel Core 2 Duo搭載のMacBook Pro 13"(Mid 2010)で行った

作業の効率化という面から、もう一つ注目したいのがVBAの復活だ。連載1回目ではWindows版Officeで作成されたマクロ入り文書が開けるという互換面でのメリットを挙げたが、自らマクロを作成するなど作業の効率アップに役立てることももちろんできる。

Visual Basic Editorを起動するための[開発]タブは初期設定では表示されていないので、リボンのカスタマイズ用ダイアログボックスで、[開発]タブのチェックをオンにして表示しよう。カスタマイズ用ダイアログボックスは、[Excel]メニューから[環境設定]を選択し、[リボン]をクリックすれば開くことができる。

[Excel]メニューから[環境設定]を選択し、図で[リボン]をクリック

タブの表示設定で[開発]にチェックを付けよう

[開発]タブが表示された状態。一番左にある[エディター]をクリックすると、Visual Basic Editorが起動する