近年、iPhoneやAndroid携帯などが続々と登場し、時代は一気にスマートフォン全盛の時代へと移り変わろうとしている。従来の携帯電話から最近になってiPhoneに乗り換えたといったユーザーも多いはず。非常に利便性の高いiPhoneだが、独自に進化を遂げた日本の携帯電話と比較し、これまで使っていたいくつかのサービスが利用できない、あるいは、あまり有効活用できないなどの不満を持つユーザーもいるだろう。そんなサービスのひとつが国内では当たり前となっている「着うた」だ。今回は、オリジナルソングやお気に入りの楽曲を、簡単にiPhone用の着信音として作成するための方法を、GrageBand、iTunes、着うた専用アプリの3つのパターンに分け、それぞれ解説していく。

まず、大前提として、iPhone用の着信音データは、MP4(拡張子:m4r)フォーマット、かつ最長でも40秒以内のものでなければならないとういうルールがあることを覚えておこう。また、GrageBandやiTunes、専用アプリのいずれを利用した場合も、作成したデータは、最終的にiTunesを経由してiPhoneと同期(転送)を行うことで、はじめて本体の着信音としての設定が可能となる。

GarageBandでオリジナル着信音を作る

GarageBandを使って着信音を作る場合には、あらかじめテンプレートが用意されているので、作業に迷うこともなく非常に明快だ。起動時に表示される選択画面から「iPhone 着信音」を選択、さらに今回は「Loops」を選択した。画面上には、4つのトラックが用意されており、再生ボタンをクリックするればすぐに楽曲を楽しむことができる。

GarageBandを起動し着信音のテンプレート(3種)を選択。はじめから楽曲を制作しても良いが、馴れるまではテンプレートを活用することで、効率的な作曲を行えるのでオススメ。作業時にはタイムラインの表示を時間にしておくと便利だ

次にオリジナリティーを加えるべく、複数のループや効果音などを加えてみる。画面右下にあるボタンで「ループブラウザ」を表示させ、楽器の種別や好みのジャンル、雰囲気などを指定する。すると、それに見合ったApple Loopsが自動的に表示されるので、試聴を繰り返しながら気に入った素材をドラッグ&ドロップしていく。GarageBandならループを並べていくだけで、誰でも簡単にアレンジが行えるが楽しい。楽曲の準備が整ったら、最後に「共有」メニューから「iTunesに着信音を送信」を選ぼう。iTunesの着信音リストにオリジナルソングが自動転送されているのが確認できるはずだ(※iTMSで購入したDRM付き楽曲などの変換には非対応となる)。

フレーズを足すだけの作業だが、だれでも簡単に人とは一味違ったオリジナルソングを楽しめる。テンプレートそのままの「アレンジ前の着信音」(拡張子:m4r)と、「アレンジ後の着信音」(拡張子:m4r)を、参考までに掲載しておくので聴き比べてみよう

iTunesを使ってお気に入りの楽曲を着信音にする

自分でオリジナルソングをつくる自信はないが、iPodで聴いているお気に入りの楽曲を着信音にしたいといったユーザーも多いだろう。そんな時はiTunesを使って簡単に楽曲を着信音に変換することができる。

まずは、お気に入りの楽曲の長さを調整する必要がある。楽曲のプロパティを表示し、オプション画面で、開始時間/停止時間を最大で40秒以内になるように設定しておくこと。このとき、サビ部分などを選んでおくと、さらに雰囲気が出てオススメだ。設定が終了したら、詳細メニューから「AAC バージョンを作成」を実行する。なお、iTunesを初期設定のまま使っているなら問題ないが、CDからのリッピングなどにMP3などを利用している場合は、環境設定の「読み込み設定」をAACに変更する必要があるので注意が必要だ。変換が終わったら、変換後のファイルを表示し、冒頭の着信音のツールにしたがって、拡張子を「m4a」から「m4r」に変更しよう。このファイルを、iTunesにドラッグ&ドロップするだけで着信音として登録することが可能。

着信音にしたい楽曲のプロパティーで、曲長を40秒以内に調節する。自分のお気に入りのフレーズが収まるように調整した上で、新たにAAC(MP4)フォーマットへの変換を実行。変換が終了したら、楽曲の曲長設定は元に戻すことをお忘れなく

.m4rの拡張子の変更した楽曲ファイルを、iTunesに着信音として登録する。着信音の登録前には、からずiTunesのプレイリストから変換後の楽曲をあらかじめ消去しておかないと、着信音としてあらたに登録できないので注意

専用アプリなら動画からも着信音を作成可能に

さらに、iTunesで楽曲の長さやファイル変換などを行うのも面倒といった、ユーザーの方々にオススメしたいのが、着信音の作成に特化した専用アプリだ。いくつかのiPhoneアプリが存在するが、ここでは「着メロ製作機 -iMakeRingtone-」というアプリを紹介しよう。

本アプリの特徴は、なんといっても動画からも着信音を手軽に作れる点。楽曲データ単体としては入手不可能な映像を元に、自分自身で着信音を作れるのが非常に面白い。もちろん、iPodライブラリの保存されている楽曲や、マイクで収録したサウンドを利用した着信音作りも可能だ。なお、着信音の長さの設定により、パソコンにデータを転送する際、メール(i)での容量オーバーなどが発生する場合には、送信時にGmailなどのアカウントをMailに設定して利用すると良いだろう(※著作権の存在する楽曲を着信音として利用する場合には、法律に定められた範囲内での運用となるよう十分にご注意ください)。