10月27日、Mac版ではおよそ2年半ぶりのバージョンアップとなる「Office for Mac 2011」(以下、Office 2011)が発売された。ビジネススイートの大定番はいったいどのような進化を遂げたのか? 本連載では8回に渡りその実力を検証していく。第1回目の今回は、このOffice 2011がどんなポイントで進化を遂げたのか、その概要を紹介する。

連載【Office for Mac 2011 新機能大全】
第1回 「Office for Mac 2011」登場! その進化のポイント
第2回 文書作成を助けるあんな機能、こんな機能
第3回 表現力アップ&便利になった「Word 2011」
第4回 パフォーマンスアップ&VBA復活で快適な作業環境
第5回 プレゼンテーションの表現力を高めるPowerPointの新機能
第6回 新登場の「Outlook 2011」は互換性とMac親和性を両立
第7回 さまざまな環境からの「Outlook 2011」への移行
・Office for Mac 2011の概要についてはこちら

Microsoft Office for Mac 2011 Home & Student(左)、Microsoft Office for Mac 2011 Home & Business(右)

まず注目したいのは、Windows版Officeとの互換性の高さだ。ビジネスシーンにおいて必要不可欠とも言えるWindowsとのファイルのやり取り。そのためにMacにOfficeを導入している人も少なくないであろう“Mac版のOffice”というツールの良し悪しをはかるうえで、避けては通れないポイントだ。

互換性へのこだわりを謳うOffice 2011では、「スパークライン」や「条件付き書式」といった新機能を搭載し、バンドルフォントとして新たにHGフォント10書体が加わるなど、Windows版Officeの最新バージョンともほぼ完全に近い精度での互換が得られる。「受け取ったファイルを開いたがレイアウトが崩れている」「ファイルに手を加えて返却したいが同じ機能での編集ができない」といったストレスを感じることなくファイルの相互利用が可能となっているのだ。

Office 2011には、HGフォント10書体が同梱される

また本バージョンでは、メール&個人情報管理ソフトとして、Mac版では初となる「Outlook」を搭載。それに伴い、Windows版OutlookのPSTファイルのインポートが可能になった。古くからのMacユーザーにはやや寂しい「Entourage」との別れではあるが、メーラーやスケジューラーの乗り換えにおいて、旧データのインポートができるか否かの違いは大きく、寂しさを補って余りあるメリットだ。

新登場のOutlook 2011。Windows 版Outlookのデータをインポートできるため、環境の移行が容易だ

さらに前バージョンで姿を消していたVBAが復活。WindowsのOfficeで作成されたマクロ文書も利用可能になるなど、ドキュメントの見た目だけでなく、さまざまな要素で互換性の強化が図られている。

マクロを含むファイルをExcel 2008で開こうとするとマクロが機能しない旨が表示されるが(左)、Excel 2011ではマクロで作成されたフォームも正しく動作する(右)

Office for Mac 2011 新機能大全

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