デジタル一眼レフカメラ「EOS」シリーズの最新モデル「60D」の発表会が21日、都内にて開催された。

左から「シェアNo.1だけではなく、ユーザー満足度No.1や写真文化への貢献度No.1など、全てにおいてNo.1と言われることを目指す」と語るキヤノンマーケティングジャパン 川崎正己代表取締役社長、渡辺謙さん、キヤノン 真栄田雅也常務取締役

フルHD動画対応、バリアングル式液晶を採用した「60D」

2010年度は、デジタル一眼カメラの販売が前年比131%となる見込み(ミラーレス機含む)と好調。中でも、ミラーレス機が全体の約3割を占めるなど急成長しているが、キヤノンマーケティングジャパンの川崎正己代表取締役社長は、「一瞬のタイミングを捉える俊敏さ、システムの完成度、レンズの豊富さ」というデジタル一眼レフカメラならではの利点を挙げ、「これは写真を趣味とする人にとって、疎かにできない部分だ」と強調した。

「難しすぎず、お手軽すぎない」という入門機「60D」の特長。フルHD動画対応、バリアングル式液晶を採用したほか、デジタル一眼レフ入門者をアシストする機能として、「表現セレクト機能」を装備している。製品詳細はこちら

新たに発表された60Dのために用意されたコミュニケーションワードは「趣味なら、本気で。」。イメージキャラクターには「演技に本気で取り組む姿が60Dに通じる」とし、俳優の渡辺謙さんを起用した。

「デジタルカメラのシェアは6年連続トップ」というキヤノン。エントリー向けのEOS Kissという強力なブランドを有し、「5D Mark II」、「50D」、「7D」からなるミドルクラスが支持されていることが要因のようだ

位置づけは、同社エントリー機「EOS Kiss」シリーズとミドルクラスモデル「7D」の中間機種。本格的に写真を始める人の要望にしっかり応える、「写真という大人のよい趣味を持ちたいという人のための入門機」(川崎社長)となる。

デジタル一眼とレンズ販売動向

静止画撮影だけではなく、フルHD動画撮影機能(EOS ムービー)が映像クリエイターにも注目されている今、新しい市場を手に入れたことで「交換レンズの販売も活況」(川崎社長)だという。今回は、60Dと同時にレンズもフィッシュアイズームを含む4本を発表しており、会場では、全周180°から対角線180°までをカバーする「EF8-15mm F4L フィッシュアイ USM」で撮影された壮大なスケールのプロモーション映像も公開された。

2010年のキヤノン デジタル一眼レフのラインアップ。60Dは2つのレンズキットを用意した

「写真だけではなく、ムービーの世界も変えたい」(キヤノン 真栄田常務取締役)という強い意志を感じる映像作品は、特設サイト「EOS Movie」などで順次公開予定。新レンズの詳細は、こちらで確認可能だ。

新たに発表されたEFレンズ。EFレンズの中でも、"luxury"(贅沢な)を意味する「L」シリーズが好調だという。Lシリーズでは、蛍石や研削非球面をはじめとした特殊光学材料を採用し、諸収差を良好に補正する

開発中の望遠レンズ「EF500mm F4L IS II USM」と「EF600mm F4L IS II USM」

撮影姿も様になる、"カメラマン"・渡辺謙

会場にはイメージキャラクターを務める渡辺謙さん、新モデルの広告グラフィックを手がけた写真家の立木義浩さんも登場。司会役として壇上に上がったフリーアナウンサー・松本志のぶさんをモデルに、立木さんの指導のもと、渡辺さんが実際に60Dでの撮影に挑むことに。

60DのCM撮影は、5D Mark IIでほぼ行われたと言い、「デジタル一眼レフカメラで撮影しているのに、モニターに出てくる映像はこれまでと遜色ない。驚きます」と話す渡辺さん(右)と立木さん

EOSシリーズの40D、50D、7Dを使ってきているという渡辺さんは「60Dは軽量化したことで、さらに気軽に持ち運べるようになった」と使い心地を味わいながらも、「光はどうしましょう?」などと質問をしながら熱心に撮影。立木さんも、「広告用の写真を撮影している間に、逆にこっちが渡辺さんに撮られていたり(笑)。鏡の写り込みを利用したりといい写真を見せてくるんですよね」と渡辺さんの腕前を評価していた。

60Dとあわせ、ペットボトルや傘など身近なものを使用した"ミニ撮影講座"。「EOSシリーズのいいところは、ノートラブルということ。砂漠や雪山に持っていっても問題なく、いろんなところに連れて行ける」(渡辺さん)