米Appleは7月16日(現地時間)に本社キャンパスで開催したiPhone 4の説明会以来、同社のアンテナ技術に対する取り組みとともに、iPhone 4で指摘されていたアンテナ問題が同端末固有のものではないことを示すため、ライバル各社のスマートフォンを使った実験映像を並べた専用ページを用意してアピールしていた。だが先週末の30~31日ごろになり、このページが突如消去されたことがわかり、話題になっている。

このAppleサイト内に設けられたアンテナ問題を扱った特設ページは、16日に行われた説明会のプレゼンテーション内容を基に、1億ドルという投資額の同社電波検証設備の紹介と、iPhone 4でアンテナ問題を再現する方法ならびに、ライバル機種で同様の持ち方を行った場合に発生するアンテナ障害の状況を説明するものだ。当初、このアンテナ問題を再現するページには、説明会で紹介されたRIMのBlackBerry、HTC、Samsungの3つのメーカーの3機種のみが掲載されていたが、後にアップデートでNokiaとMotorolaの端末情報も追加されている。一部の噂では、これらメーカーはAppleのアンテナ問題が発生したときに同社を揶揄する公式声明を発表、あるいはメディア取材で幹部らがコメントを公表したメーカーであり、同ページへの会社名出現はAppleによる報復だという指摘もあった(実際、コメントが公になっていないライバルのPalmやLGなどには触れられていない)。一方でこのページの掲載内容は「本来の問題を逸らす意図がある」という意見も多く、バンパー無料配布決定への高い評価とは対照的に、正直あまりいい評価は受けていない。

現在、米国の当該サイトへとアクセスすると、このアンテナ問題の解説ページは消去されており、同社のアンテナ設計と検証ラボのページが出現するのみとなっている。だが、例えば日本の同じページへとアクセスすると、このページが残っていることが確認できる(原稿掲載時点ですでに消去済みであることを確認)。これはページのアップデートが国によって別々に行われているためで、反映が遅れているだけと考えられる。意図は不明だが、Apple側で同ページに何らかの問題があると考えた結果だとするのが自然だろう。

現在、米Appleのアンテナ問題サイトを訪問すると表示されるページ

こちらは米Appleページのキャプチャと同時刻に取得した日本のアップル公式ページのスクリーンショット。最初に表示されるのがライバルの端末とのアンテナ比較ページで、画面最上部右上に「アンテナ検証ラボ」への切り替えリンクがついていることがわかる