期待以上のハイレベル! - ETロボコン2009 チャンピオンシップ大会

さて、ここでETロボコンの実際の様子として、前回のETロボコン2009 チャンピオンシップ大会について紹介しておこう。同大会は「Embedded Technology 2009(組込み総合技術展)」の併催という形で、2009年11月19日(目)~20日(金)の2日間、パシフィコ横浜Aホールにて開催された。

ETロボコン2009には前述の通り全354チーム(1,700名)のエントリーがあったが、チャンピオンシップ大会には全国7地区の地区大会を勝ち抜いた40チーム(174名)が参戦。19日に競技会、20日にモデル・ワークショップという日程で実施され、両日で約900名ほどが訪れたという。

また、大会初の試みとして東京工科大学 Intebroによるインターネット中継も行われた。この中継の模様は動画として残されており、現在も観ることができる。

ETロボコン2009 チャンピオンシップ大会は、「Embedded Technology 2009」の併催という形で、パシフィコ横浜Aホールにて開催された

ETロボコンでは大会開始当初より、初期バージョンの「レゴ マインドストーム RCX (以下、RCX)」の走行体が使用されてきたが、2009年には現行の上位バージョン「レゴ マインドストーム NXT (以下、NXT)」による新走行体が登場。移行期間としてRCXとNXTの両部門が実施され、チャンピオンシップ大会にはNXTの部32チーム、RCXの部8チームが参加した。

NXTはハードスペック、特にメモリ容量が大幅に向上しているため、高度な制御戦略も可能となり、例年以上に見どころの多い大会となったようだ。

2009年から採用されたNXT走行体

2009年がラストランとなったRCX走行体

冒頭でも触れたように、ETロボコンの審査には、規定コースをいかに速く走行できるか競う「競技審査」と、事前に提出した走行戦略のモデル(設計図)が審査員によって評価される「モデル審査」があり、双方の結果を考慮して総合優勝チームが決まる。

会場には参加チームのモデルが自由に観られるように貼り出される

モデルは全チームとも、A4サイズで5枚+コンセプトシート1枚の構成

競技は、基本的にはライントレースによるトラック周回のスタイルだ。競技フィールド上にはインコースとアウトコースの2本の黒いラインが引かれており、この2レーンに2チームが同時出走してタイムを競う。NXT走行体は1周、RCX走行体は2周で完走となる。

ただし、ルール上は必ずしもレーンに沿って走る必要はない。計測スタート後、規定方向(コース左回り)からのゴールゲート通過で周回開始とし、その後、中間ゲートを通過して、再びゴールゲートを通過すれば1周したものと見なされるため、ラインを無視した大胆なショートカットも許される。

ETロボコン2009の規定コース

フィールド上には各地区提供のご当地物品が置かれた。ET、ロボコンなども…?

また、コース上には「難所」と呼ばれるポイントが設定されており、通過するとそれぞれに設定されたボーナスタイムが得られる。計測された走行タイムから獲得したボーナスタイムが引かれ、これが「リザルトタイム」として評価される。いかに速く、多くの難所を通過しながら完走するかが勝負、という訳だ。

参加チームは2回出走。出走順と組み合わせは変わらないが、インコースとアウトコースを交代してそれぞれ1回ずつ走り、リザルトタイムの合計で競技部門の最終的な順位が決まる。